カブスカウトの活動レポート 子どもだけで野外料理に挑戦

 それでは、実際のカブスカウトの1日はどのようなものなのでしょうか。世田谷区のカブスカウトが、2015年11月に川崎市青少年の家で行った活動をレポートします。

開会のセレモニーでは仲間の指揮のもと、全員で歌を歌う(写真:ヤマシタチカコ 以下同)
開会のセレモニーでは仲間の指揮のもと、全員で歌を歌う(写真:ヤマシタチカコ 以下同)

 カブスカウトは「うさぎ」「しか」「くま」と年代別の級があり、学年混成のグループに分かれ、それぞれに役割が与えられます。この日の活動は野外料理。みんなで協力して、豚汁とご飯を作るのが目標です。一番年少のうさぎが食材を切り、しかとくまがご飯と豚汁を作ることになりました。説明が終わるとさっそく活動開始! 子ども達はてきぱきと自分の持ち場へと移動していきます。

 しか・くまはまず洗い場へ。ご飯を炊くためにお米を洗い、水の量を量ります。ご飯を炊くのには炊飯器ではなく飯ごうを使用。直火で調理するため、すすがこびりつかないよう、飯ごうの表面にクレンザーを塗っていきます。この日、しかはご飯を炊くのに初挑戦。経験のあるくまが「底のほうにもしっかり塗った方がいいよ!」とアドバイスしていたのが印象的でした。

 ご飯の準備ができたら、移動して火をおこすことに。まずは丸めた新聞紙と細い薪で火をつけます。みんなマッチで火をつけるところまではうまくいったのですが、ここからが大変でした。思い通りに火を調整できず、みんな悪戦苦闘の様子。中には途中で火が消えてしまった子も。いつも使っているキッチンコンロとはまったく違う燃え方をする炎に、熱中する子ども達。大人の意見を取り入れたり試行錯誤を繰り返したりしながら、なんとかみんな炎を安定させることに成功。その時間はほんの数十分でしたが、子ども達が着実に成長しているのがわかりました。

薪をくべながら、火力を調整する子ども達。煙に目や鼻を痛めながらも、風上に立てば煙が来ないことを学習していく
薪をくべながら、火力を調整する子ども達。煙に目や鼻を痛めながらも、風上に立てば煙が来ないことを学習していく