事故当日の職員数は、国の最低基準を上回っていた

―― キッズスクウェアは保育士一人当たりの子ども数などに規制がない、いわゆる認可外保育所です。先生の数が足りなかったのでしょうか?

Aさん 午後は保育士の先生が4人、資格のない先生が2人いましたから、いわゆる国の最低基準は満たしていたと思います。事故のあった日、園にいた子どもは全部で20人でした。0歳児4人、1歳児11人、2歳児4人、3歳児1人と確認しています。

 国が定める保育士配置の最低基準は、0歳児の場合は3人につき先生1人、1~2歳児の場合は6人につき先生1人となっています。その基準を当てはめると、先生が5人いれば、国の最低基準を満たしていることになります。職員は6人いましたから、最低基準を上回っていたと言えます。

先生の保育経験が1~4年と浅く、子どもにどう対応すればよいか分からない

―― 認可外保育所の事故は、保育士の人件費を削り、一人で多数の子どもを見なくてはいけない環境で起きることが多いです。今回の事故は、形式的な基準を上回る環境で起きてしまいました。なぜだと思いますか?

Aさん 最低基準は満たしていましたが、先生達はお昼休憩の時間でした。また、どの先生も保育経験が1~4年と浅く、子どもにどう対応すればよいか分からない先生もいたようです。子どもが泣いても抱っこしてくれないことも多かったです。

 息子は預け始めたばかりでした。最初は30分預けるところから始めています。別れ際に泣くのが心配で見ていると、先生から「お母さんがいるといつまでも泣いてしまうので、ぱっといなくなったほうがよいです」と言われました。

 子どもが保育室に入ってからも気になって、毎朝マジックミラーのガラス越しに様子を見ていると、子どもはずっと泣いていました。最初の2~3日は抱っこしてくれましたが、4日目から抱っこが少なくなっていた。人手が足りないのではなく、子どもが手の届くところにいても抱っこしない先生もいたんです。