先生への感謝の気持ちは強いが、月給はいくらが妥当?
一方で、保育士や保育園への感謝の気持ちは大きいようだ。
「保育士など保育園やこども園、幼稚園の先生に感心すること、感謝していることはどんなことか」という質問では、回答数が回答者数の5倍近くに上った。「いつも笑顔で応対してくれる」「連絡帳にその日の様子を丁寧に書いてくれる」「子どもの相手をこまやかにしてくれる」といった日常での応対には、多くの保護者が感謝を寄せている。その他の回答をいくつか見ていこう。
そしてこうした感謝の念があるからこそ、現在の保育士の待遇を改善してもらいたいという保護者は多い。では、「低い」と言われる保育士の給与は、どれくらいなら妥当なのだろうか?
「もしあなたが園の経営者なら、保育士に月額でいくら給与を支払いたいか」という質問に対しては、51.0%が25万円以上30万円未満と答え、次いで30万円以上35万円未満が21.9%で合わせて7割以上の人が現在の平均月収20.7万円(*)より多くしたいと考えていることが分かった。その他の回答としては「経験を積んで40代になるころには35万円より多く」「基本的は25万円以上でよいと思うが、ベテランと新人で少し差があってもいいと思う」「年齢×10万円」「基本給としては25万~30万円で残業手当、休日出勤手当は別途支給」など、能力や年齢に合わせた月収および手当の充実を訴える声も目立った。
今回のアンケート結果からは、保育施設の現状を理解しながらも不安を抱える保護者の現状が見えてきた。とはいえ保育士の待遇が改善されれば、人材不足も解消され、保育士の子ども達への対応もより良くなっていくかもしれない。次回は労働経済ジャーナリストとして女性の就労問題にも取り組んでいる小林美希さんに、日本の保育園で何が起きているのか、今後どのような方向に向かっていくのかを伺う。
(文/山田真弓)