考えているようで、実は考えていない状態とは?
小川大介さん
何日かけて考えてもいいアイデアが見つからず、ありふれた企画書しか提出できなかったり、解決策が見つからなかったり……、考えてみたけれど、よいアイデアや答えを見いだせないという経験をしたことはありませんか? 私はよくあります。そして、後になって気づくのです。「あ~、私は考えていたようで、考えていなかったんだな」と。
例えば今、あなたが仕事と子育ての両立が大変で、転職しようかどうか迷っているとします。でも、今の仕事はとても面白く、やりがいもあります。転職したら、時間的な余裕を持てるようになる可能性もありますが、今のようなやりがいのある仕事ができるかどうかは分かりません。だからといって、このまま続けていては、子どもと一緒に過ごす時間が思うように取れず、いつも時間に追われてしまいます。だから、転職をしたいと考えている。
さて、この状態は「考えている」といえるでしょうか?
いいえ、ただ悩んでいるだけです。
「考える」とは、まず考える対象となる「課題」があり、「分析」→「解釈」→「検証」の段階を踏んで、その課題を解決していくプロセスのこと。目的を実現するために、頭を適切に働かせる活動といってもいいでしょう。
一方、「悩む」とは、解決していく先が見えないまま、ただ現状に困っている状態をいいます。冒頭の例でいえば、仕事と子育ての両立がうまくいかず、困っているという状態ですね。
なんとかしなければという思いはあるものの、「何を」「何のために」「どのように」解決していけばいいのか分からず、頭の中でただ自分が持つ情報やそれに付随して生まれてくる感情をぐるぐると巡らせているだけ。つまり、何の解決にも向かっていないということです。
次ページからはこの「思考」に必要な3つのステップを解説しますが、驚くことに、小学生達は国語の授業で6年間、この練習を続けているのです。
次ページから読める内容
- 「考える」ために必要なステップの1つ目は「分析」
- 「分析」できたら、「解釈」「検証」を行っていく
- 物事を論理的に考えるために不可欠な「対比思考」
- 論説文も、物語文も、思考力を育むのに適している
- 国語ができる子は設問の意図に従って読むことができている
続きは、日経DUAL登録会員の方がご覧いただけます
-
登録会員限定記事子育て、キャリア、夫婦の連携、家計管理など、共働き家庭のニーズに応える登録会員限定記事をお読みいただけます。
-
日経DUALメール日経DUALの最新記事やイベント開催情報などをお知らせするメールマガジン「日経DUALメール」をご購読いただけます。
-
子どもの年齢別メール子どもの年齢別メール(未就学児、低学年、高学年)を配信します。子どもの年齢に合った新着記事やおすすめ記事をお届けします。
-
MY DUALサイトトップページの「MY DUAL」の欄に、子どもの年齢に合った新着記事が表示され、最新の子育て・教育情報が格段に読みやすくなります。
-
日経DUALフォーラムオンライン会議室「日経DUALフォーラム」にコメントを書き込めます。日経DUALの記事や子育て世代に関心の高いテーマについて、読者同士や編集部と意見交換できます。
-
記事クリップ、連載フォローお気に入りの記事をクリップしたり、連載をフォローしたりできます。日経DUALがさらに使いやすくなります。