ルールの違いやスキミング被害のハプニングも! 旅を失敗・後悔しないために

 個人手配は、航空会社やフライト時間、ホテルの部屋など好みに合わせて内容を組み合わせられるのが魅力ですが、空港からホテルへの移動手段を事前に調べておく必要があります。大きな荷物を抱えて子どもを連れて移動するのは大変なうえに、時間帯や旅先によってはトラブルに巻き込まれてしまう危険も。

 須賀さんはこれまでの旅行の中で約数万円ものスキミング被害に遭ったことがあり、ヒヤリとした経験が。被害がカード会社に認定され、結局支払うことはありませんでしたが、クレジットカード使用の際には、「自分が信頼を置けると判断したお店でのみ使う」「旅行ガイドなどの他人にクレジットカードを預けない」「クレジットカードは自分の目の行き届く場所で決済してもらう」など、リスクを軽減する工夫をしています。

 「個人旅行の場合は、旅先でトラブルに遭った際には自分で解決することが前提になり、安全対策にもよりいっそう配慮しておくことをおすすめします」と村田さん。『ホテルの送迎サービスが利用できないか?』『リムジンバスやタクシーの利用ができないか?』『乗り場は空港のどこにあるのか?』など特に入国直後に必要となる事項を調べ、現地で困らないように必要に応じて事前に手配しておくことを勧めます。

 滞在中の食事面や、「水」にも注意が必要。日本では水道水を飲めますが、海外では「ミネラルウオーター」を飲むのが安心です。「プールやシャワーの水が口に入ったり、親の目が届かないところで水道水を自分で飲んでしまったりするケースもあります。一人で行動できる子どもにはしっかりと注意を呼び掛けましょう」(村田さん)

「12才未満の子どもだけを1人にしない」「公共の乗り物内で飲食はしない」など日本とは異なるルールに注意。写真はホノルル美術館
「12才未満の子どもだけを1人にしない」「公共の乗り物内で飲食はしない」など日本とは異なるルールに注意。写真はホノルル美術館

 国によって法律やマナーは違い、日本では一般的なことが、知らずに海外で同じようなことをすると大きな問題になることも。例えばハワイでは、12才未満の子どもだけを部屋や車に残す行為は法律で禁じられています。日本で働きながら子育てをしていると、子どもをちょっとの間部屋に残してゴミを捨てに行ったり、親が帰宅するまでの時間を自宅で子どもが留守番をして待つというのはありがちな話。

 「ハワイのレストランで食事をしていて、子どもがトイレに行きたいと言った場合、『すぐそこにあるから、ちょっと行ってきて』と言うのもNG。『お土産を買ってくるから、部屋や車で5分待っていて』というのも、警察沙汰に発展することもあります。親は子どもから目を離さないのが基本ルール。大人だけで出掛ける必要がある場合は、シッターサービスを利用してくださいね」と須賀さんは注意を促します。

 その他、ハワイで押さえておきたいルールの違いは、「トロリーやTheBusなど公共の乗り物の中では飲食ができない」「ビーチでお酒を飲んではいけない」「横断歩道がない所で道路を渡らない」「点滅信号は渡ってはいけない」など。トラブルを未然に防ぐために、事前に旅先の状況を調べ、日ごろの行動の中で注意が必要な部分があれば、子どもとよく旅先でのルールを話し合いましょう。

 意外と忘れがちなのが、ハワイを含むアメリカへ渡航する際に「ESTA(エスタ)」(※)というアメリカの電子渡航認証システムであらかじめ入国許可を得ておくこと。同じアメリカでも、グアムおよび北マリアナ諸島連邦(サイパンやロタなど)の場合は『日本国籍を有し、観光目的の45日以内の滞在』であれば、ESTAの必要はありません(2016年7月4日現在)。

 「過去に許可を得ていた人も、パスポートを更新する際には失効してしまうので要注意。旅行を手配する際、ESTAが現在有効かどうかをしっかりと確認しておきましょう」(村田さん)

※米国大使館ESTA(エスタ)申請公式ウェブサイトhttp://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html