全く問題がない“完璧”な家庭はありません。子どもの成長とともに訪れる課題に全員が「チーム」として取り組み、自分達らしい家族を形成すること--それが「ファミリー・ビルディング」の考え方です。幼児教育を通して6000人以上の子どもと接し、数多くの家庭をコンサルティングしてきた山本直美さんが、悩めるデュアラー世代へアドバイスします。
 第6回のテーマは「指示待ちオット」。子育て初期の「察して動いてよ(イライラ)」の段階を経て、「言えばきちんとやってくれる」段階までパパは成長。でも、今度は自分で考えて行動しなくなってしまった! ママのやり方がまずかった? 山本さんにアドバイスを聞きました。

 こんにちは! チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。

 昨今、長時間労働を見直そうということがテーマになり、ワークライフバランスが重要視されるようになりました。でも、なぜこんなに根付かないのか? そもそも、その経験がない人が圧倒的であるということに加え、パパ達の「家に帰っても……」という困惑も見え隠れします。「お願いすれば家事・育児もやってくれる。でも、自分からは動いてくれない」と、パートナーに不満を持っているなら、少しだけ一緒に考えてみましょう。

 「子育てに興味を持って協力してくれることはうれしいのだけど……ぜーんぶママが指示している!」という声はよく聞きます。「大変だから、○○をやるよ!」と自発的に声をかけてくれたら、少しは心に余裕ができるかもしれないのに~とむなしさを覚える人も少なくありません。

 パパは毎晩帰宅が遅く、平日の家事・育児は当然のようにママの仕事。週1回でも早く帰ってきて一緒にやってくれたら、どんなにかうれしいのに……それが本音ではないでしょうか。

 なぜなんでしょうか。実は前述したように大半のパパ達が「家での楽しみ方」を知らないという現実があります。逆に考えると、“楽しいことがあれば喜んで帰る”はずなんです。

パパも「家」を楽しんでる?

 先日も、こんな記事がありました。

■日経ビジネス 「残業が減らないのは家に帰りたくないから」

 「家族で楽しむ時間」をみんなで考えたほうが、自発的にパパも家事・育児に楽しんで参加できる気がするのです。“快動”とは、私が会長を務める子育て学協会でお伝えしている造語ですが、この原理原則に則って、家族の“快動”を考えてみましょう。

快動とは?:人は自分の快さによって動きます。これを繰り返し行うことで、自分の中にある快さの感覚に気づくこと。

 子どもだけでなく、大人になっても自分の“快動”を知ることは大切です。時には、パパの“快動”をみんなで楽しんでみましょう。疲れた顔をして、「ママに頼まれたから」と子どもと公園へ一緒に行くことよりも、スポーツ観戦に一緒に行ってみるとか、図書館に行ってみるなど、パパが楽しい、快いと思えることを一緒にしてみてはどうでしょう。

 まずは週末に“快動”から楽しみを見つけることから始めましょう。それこそ、家によって違っていいのですから。