駅名を通して漢字を覚えた

―― 親子で共通の趣味がある家族って楽しそうで羨ましいです。

豊岡さんが惚れ込んだ寝台列車・北斗星。「ブルートレイン」と呼ばれる青い車体が特徴だが、2015年3月に惜しまれながら定期運行を終了した
豊岡さんが惚れ込んだ寝台列車・北斗星。「ブルートレイン」と呼ばれる青い車体が特徴だが、2015年3月に惜しまれながら定期運行を終了した

豊岡 有楽町の東京交通会館という、新幹線を間近で見られるスポットにおでかけすることがあるのですが、そこでは親子そろってはしゃいでいます(笑)。共通の趣味があるとおでかけ先で誰も退屈しないし、会話も弾みます。

 他にも、子どもが鉄道好きで得したこととして漢字と地理に詳しくなりましたね。駅名で漢字を見ているので、書き順はめちゃくちゃでもしっかり読めるんです。幼稚園のときから街を歩いていて「あれは赤羽の赤だ!」「あっちは新宿の新!」みたいな(笑)。息子は小学校1年生になって習った漢字が最初から全部読めていたみたいです。

 地理については路線図を見ているおかげですかね。うちはトイレにかけ算の九九の表と一緒に東京メトロの路線図を貼っているんですが、毎日見ているおかげで私が仕事で行く場所を言うと、路線図を見ないでも乗換駅を瞬時に教えてくれるようになりました。皆さんもぜひ、トイレに路線図を貼ってみてください(笑)。

 子どもは鉄道好きだけど自分はまったく……というお母さんは、苦手意識をなくして1つでも好きな車両を見つけてみてください。女性は見た目がかっこいい「イケメン」な車両から入るのがおすすめ。

 私は寝台列車の「北斗星」がきっかけでした。最近のお気に入りはJR九州の883系ソニックと、東京メトロ副都心線の10000系。883系ソニックは座席が革張りだったり、床がフローリングだったりと内部もすごく凝っているんです。副都心線は車両もさることながら、駅もスタイリッシュで高ポイント。椅子なんかも透明で柄が付いていて、美術品みたいです。このかっこよさはきっと女性なら分かるはず。

 ぜひ親子で鉄道好きになってもらえたらと思います。

(文・取材/小沼理[かみゆ])