緊急事態にも安心なのは「ホームにトイレ」

―― 古い駅だと、トイレで苦労されることも多いかと思います。

豊岡 駅によってはベビーカーを折り畳んでも持ち込めないほど、個室が狭いことがありますよね。あと、下の娘が生まれてからは特に大変でした。子ども二人を連れて個室には入れないので、娘をベビーチェアに座らせて、息子はすぐ外で待たせて利用したことも。とはいえ、息子もそのころはまだ3歳くらい。いくらしっかり言ってもふらふらどこかへ行ってしまうかもしれないし、誘拐の可能性だって頭をよぎります。「ちゃんといる!?」とドア越しにずっと会話したりと、とにかく気が気じゃなかったですね。

―― 駅のトイレにあるとうれしい設備はありますか?

豊岡 オムツ替えシートですね。けっこう場所を取るので、設置していない駅も多いんですよ。例えばこれからお母さんと一緒にランチを楽しむっていうときに、どこにあるか分からないデパートのトイレを探し回るより、必ず利用する駅にあるとささっとオムツを替えていけるので便利だなあと思います。

 あと、ホームにトイレがあるのもうれしい! 子どもって突然トイレに行きたいって言いますからね。「さっきトイレの前通ったじゃん!」と内心思いながらも(笑)、またエレベーターで上まで昇って……。そうこうしているうちに乗りたい電車に乗れなくなってしまうことがよくあったので。それに、電車に乗っているときにトイレに行きたいと言われても、ホームにあると停車したらすぐに駆け込めるのも助かりますよね。

事前の下調べと余裕ある行動が心の安定剤に

―― 全国の駅を回っている中で、「これはいい!」と思った施設はありましたか?

豊岡 九州のJR博多駅に「おもちゃのチャチャチャ。ちゃちゃくらぶ」という、子どもが遊べる遊戯施設がホーム内にあるんです。木のボールプールや絵本があったり、大きな窓から列車が見られたり。安全面など大変ではあると思うけど、東京にもあるといいなと思いますね。

JR博多駅の「おもちゃのチャチャチャ。ちゃちゃくらぶ」。ホーム内にあり、木でできたおもちゃで遊んだり、列車が走る様子をすぐそばで見たりできる。駅への入場券の他に別途入場料が必要(おとな+こども券300円、おとな追加200円、こども追加100円)
JR博多駅の「おもちゃのチャチャチャ。ちゃちゃくらぶ」。ホーム内にあり、木でできたおもちゃで遊んだり、列車が走る様子をすぐそばで見たりできる。駅への入場券の他に別途入場料が必要(おとな+こども券300円、おとな追加200円、こども追加100円)