仕事と育児で忙しい毎日、夏休みの思い出づくりの一つとして、海外へのご褒美旅を計画している人も少なくないのでは。中でも、憧れの子連れ海外旅行先としていつも上位に挙がってくるのが「ハワイ」。日本人になじみが深く、美しい海はもちろん豊かな自然、のんびりとしたムード、さらにショッピングスポットも充実しているのも魅力です。子連れ海外旅デビューをしたいけれど、フライトや現地でのハプニングがちょっと心配という人に向けて企画した「初めてのハワイ・グアム 子連れ海外旅行術 特集」。行き先をハワイと決めている人だけでなく、アジアやオーストラリアなど子連れでも比較的行きやすい国を検討している人にも役立つ情報が満載です。

 第2回では、失敗しないエアライン選びや機内対策について旅行ジャーナリストの村田和子さんに聞きました。村田さんがおすすめする航空会社BEST3と各社キッズサービスも比較! 旅のプロならではのアイデアが満載です。ぜひ参考にしてくださいね。

【初めてのハワイ・グアム 子連れ海外旅行術 特集】
第1回 1歳からのハワイ・グアム子連れ旅、初めての海外旅成功のコツ
第2回 失敗しない! エアライン選びとキッズサービス比較 ←今回はココ
第3回 プロ海外旅 親の必需品、子どもの現地調達品リスト
第4回 子連れ海外 現地での万一に備えたお金&病気の知識
第5回 親子の笑顔を約束するハワイ 宿選び&過ごし方

6時間半以上のハワイへのフライト、子どもとどう過ごす?

 日本―ハワイ間のフライト時間は、行きが約6時間半~7時間、帰りは気流の関係で約9時間前後。子連れ海外旅としては、かなりの長時間飛行となります。しかも往路の日本発―ホノルル(ハワイ)便の多くは、日本を夕方遅くから夜に出発し、朝到着。復路のホノルル(ハワイ)発―日本便は、航空会社や行き先によって午前中から昼、夕方と比較的幅広い選択肢があります。

 「夜出発の場合、離陸したら機内で早めに寝て翌日に備えたいもの。早く寝てしまうことで、19時間ある時差ぼけ(日本時間に5時間足して1日戻る)対策になり、到着してからの過ごし方がラクになりますよ」と村田さんはアドバイスします。

 想定外のことが多々起こるのが小さな子ども連れの旅行。

 「ただでさえ気圧の変化や乾燥など、いつもとは違う環境に置かれる機内。敏感になってしまう子どもも少なくありません。できれば、出発の数日前から生活リズムをハワイ旅のスケジュールに寄せておくことをおすすめします」と村田さん。慣れない飛行機や時差、そして長期の移動。普段とは違う環境に備えて、できる限り子どもに無理なく当日を迎えることが理想です。

慣れない飛行機や時差、そして長期の移動。普段とは違う環境に備えて、できる限り子どもに無理なく当日を迎えましょう
慣れない飛行機や時差、そして長期の移動。普段とは違う環境に備えて、できる限り子どもに無理なく当日を迎えましょう

 離発着時の高度の変化も、気を付けたいポイント。大人は自然に耳抜きができますが、大人のように自分ではうまく耳抜きができない小さな子どもは、初めて経験する突然の痛みに泣いてしまうこともあります。楽しい気分で乗ったのに、夜の時間帯で周囲には気を使うし、子どもはその後ずっと機内でぐずぐず……では、到着前から心身共に疲れてしまいます。

 「赤ちゃんへの気圧対策は、授乳をしたり、何か水分を飲ませたりすることが有効。あめが食べられる年齢なら、何かをなめさせておくのも予防になります。唾液を飲み込むだけでも、特有のツーンとした耳の痛みが和らぎますよ」(村田さん)

 機内で汗をかいたり、衣類が汚れたりする不快感にも子どもは敏感です。いつでも体温を調整できるよう羽織ものや着替えは、すぐに取り出せる手荷物の中に入れておきましょう。

機内サービスだけでは不十分、機内へは“子どものお気に入り”を必携

空から眺める景色に子どもはワクワク! でもしばらくして飽きてしまったら?
空から眺める景色に子どもはワクワク! でもしばらくして飽きてしまったら?

 非日常的な機内の設備や昼なら空から眺める景色は、子どもにとってもワクワク。でも、すぐに飽きてしまうのも、子どもならではの傾向です。機内の子ども向けサービスには「絵本の貸し出しやビデオプログラムなどがあります。ビデオプログラムは日系エアライン以外は日本語のプログラムが少ないことも。それだけで数時間を楽しく過ごすのは難しく、各自で準備するのが基本です」と村田さんはアドバイスします。機内サービスに頼り過ぎず、あくまでも補足的に利用するくらいに考えて。

 ハワイをはじめとした夜出発の旅は、「行きの飛行機でできるだけスムーズに寝る」ことが旅行を成功に導くスタートライン。

 村田さんは、「『抱っこしていれば安心するぬいぐるみ』や『寝るときに読み聞かせる絵本』など、子どもの寝かしつけに効くアイテムがあると重宝します。普段から慣れ親しみ、子どもの興味や関心に合うものを準備しましょう」と提案。動画を入れたiPadやポータブルDVDはいざというときに重宝するので、持っていくと安心です。小さくても音が出る機械は、時間や環境によっては周囲への迷惑になるので、イヤホンを使うなど配慮が必要です。

 さらに、小さな子どもには、お気に入りの玩具に加えて新しい玩具を数点準備するのも得策と、村田さん。「パズルや絵本など真新しいものをいくつか準備しておくことをおすすめします。まずはお気に入りのおもちゃで遊び、飽きてぐずり出したところで、『ジャ、ジャーン!』と新しい玩具を登場させると、子どもは喜び興味をそらすことができますよ」

【次のページからの内容】
・小さな子連れファミリーは身動きが取りやすい「通路側座席」がおすすめ!
・ハワイへの空の旅、プロが薦める航空会社BEST3
・キッズミールの申し込みは必須 各社の子連れ向けサービスをチェック
・快適な空の旅を過ごしたい! 機内でありがちなハプニングと注意ポイント