粘土質の泥で、ひんやり爽快“にゅるにゅる体験”

 もちろん、土遊びは公園などの砂場でも十分に楽しめます。しかし、感覚遊びや何かものを作る可塑性の遊びに関しては、少しでも粘土質の土が混じっているほうがより楽しく遊べると、竹井さんはアドバイス。しかし、近年、特に都会では粘土質の土と触れられる場所は少なくなっています。

 「近年、園庭や公園などは水はけを良くするために砂で造成されるようになり、水はけの悪い粘土質の土は排除されてしまいました。粘土質の土にも、水はけのいい粒の大きな砂にも、それぞれに良さがあります。ただ、現代の子どもが遊べる環境を考えると、圧倒的に砂の環境のほうが多くなってきています」

にゅるにゅるした感触の冷たい泥がひんやり気持ちいい! 写真はイメージ/竹井さん提供
にゅるにゅるした感触の冷たい泥がひんやり気持ちいい! 写真はイメージ/竹井さん提供

 近年では、泥遊びの日を設けて、思う存分、泥遊びをする園が増えてきているのは、粘土質の土で泥遊びを体験させるためです。竹井さんも、砂だけではなく、粘土質の土で遊べる「粘土場」の研究・開発を続けており、徐々にいくつかの園などに作られ始めているそうです。

 「細かい粒子の粘土質の泥で遊ぶと、えも言われぬ“至福の世界”がそこには広がっています。夏のちょっと暑いときに、冷たいにゅるにゅるの泥に足を突っ込んでみると、大人でも気持ちがいいですし、涼やかな感じになります。砂場は多くの公園にあるのでいつでも気軽に経験できますが、ぜひ、粘土質の土での遊びも経験させてあげてほしいですね」

 とはいえ、なかなか粘土質の土に触れ合う場所がない場合、どのようにするのがいいのでしょうか。

 「家族でどこかに遊びに行ったときに、粘土層を見つけたら、それをバケツに取ってきて遊ぶというのもいいでしょう。都会ではどうしても手に入らないといったこともあるでしょうから、ホームセンターなどで売っている園芸用の粘土質の土で遊ぶというのもいいかもしれません。

 例えば、田んぼの土としてよく知られた園芸用の土「荒木田土(あらきだつち)」などはオススメです。庭があるご家庭でしたら、庭の一画に粘土場を作ってあげるのもいいでしょう。マンション住まいのご家庭でしたら、ベランダで洗面器やバケツの中に入れて遊ぶだけでも十分。土に水を加えてこねたり、泥だんごを作ったりして遊ぶことができます。可能であれば、その泥の中に足を入れて、ぜひ、親子でにゅるにゅる体験をしてみてもらいたいと思いますね(笑)」

粘土質の泥環境が貴重な近年、自宅でも泥遊びを気軽に楽しめる園芸用の土として竹井さんは「荒木田土(あらきだつち)」を推薦。写真はイメージ/竹井さん提供
粘土質の泥環境が貴重な近年、自宅でも泥遊びを気軽に楽しめる園芸用の土として竹井さんは「荒木田土(あらきだつち)」を推薦。写真はイメージ/竹井さん提供