寄り添ってもらえない疎外感がつらい

―― 前回の米粉クッキーもそうでしたが、今回もボウルひとつ、いや、ポリ袋ひとつで洗い物の手間もなくて、手順はとても簡単。しかも栄養価も高い。こんなおやつは、夫婦共働きでいつも時間に追われていて、でも子どもにいつもスナック菓子を与えるのも気が引けるというDUAL家庭にとって理想的です。

伊藤 そうそう、私も働きながら、子どもと一緒においしいねと言いながら食べられる物を作りたいと思って、マクロビオティックの本などを手に取ったのですが、すごくすてきなんだけど、手間もすごい。これはもう絶対に私には無理、と悲しくなるほどでした。

 前回もお話ししましたが、私は子どもが生まれるまでは外食中心で、しかも偏った食生活をしていて、自分のためだと食に関してはちっとも頑張れませんでしたが、アレルギーのある子どものためなら頑張れる。そうは言っても、どこまで頑張るかは、自分なりに折り合いをつけることも大事かと思います。ただでさえ、お母さん達は頑張っていますから。子育てってどうしても母親に負担が大きくなりがちで、特に食べ物のことは任されがちですからね。

―― 今、上のお子さんは小学4年生ですよね。給食はどうしているのですか。

伊藤 除去食で対応してもらっていますが、必要に応じてお弁当を持っていっています。食べられないものがたくさん入ったメニューの日はお弁当を持たせています。中身は息子のリクエストに応えるものなので、「友達がうらやましがるかな」と言いながら持っていっていますよ。

―― 今はアレルギーを持つ子が多いですから、学校側の理解もだいぶ進んでいるのでしょうか。

伊藤 ここ数年でだいぶ理解が進んだかもしれませんね。それでもやはり、毎年秋ごろになると、翌年の4月に小学校に入るお子さんのいるお母さん達からよく相談を受けます。給食をどうしたらいいんでしょうかって。やっぱり、まだまだ理解のない学校も多いようですよ。学校側と話をしたときに、対応してもらえないのは仕方がないけれども、つらいのは寄り添ってもらえないことだとお母さん達はよくこぼしています。

 母親がお弁当を作って当然、という姿勢の学校も少なくないようで、こういうときに一言、「お母さんも大変ですが頑張ってくださいね」と言ってもらえるだけで違うのに、というのです。家庭でも同じですよね。お父さんから一言「ありがとね」と言われるだけで頑張れる。