残ったきんぴらがおやつのレシピのヒントに
―― いい香りが部屋中に漂ってきました。焼き上がりの色もいいですね。ふんわりしているのに、もっちり。甘くておいしくて、幸せな気分になります。
伊藤 こういうおいしそうな色になるのは、オレンジジュースの力なんです。
もっとも、そもそもは子どもが飲み残していたジュースを使ったのが始まりでした。煮豆もそう。煮物の里芋が残ってしまったり、レンコンのきんぴらが余ってしまったり、というところから、色々な野菜の入った米粉クッキーのレシピを開拓しました。
―― 残り物をサラダなどに使うことはあっても、おやつに転用という発想はなかなか出てきません。
伊藤 アレルギーがあるせいなのかどうかは分かりませんが、うちの子ども達は味覚がすごく敏感で、冷蔵庫に入れておいた煮物は2日目になると食べないんです。ひじきの煮物も、残って2日目に出しても食べてくれない。そうやって残り物を食べないことが、いいこととは私には思えないんです。だったら、工夫して食べるということを覚えてほしい。そこで毎回、「残った物がこれになっているんだよ」とちゃんと説明しています。捨てていると思われたら困りますからね(笑)。
米粉クッキー同様、マドレーヌもポリエチレンの袋の中で分量を守って混ぜていけばOK。「ポリ袋やラップにも添加物が使われていることが多いので、チェックすると安心」と伊藤さん
残念ながら、このふんわり感は持続しないので、食べきれないときは早めに冷凍するのがおすすめ。食べるときは、室温に置いて解凍するといい。「焼いた翌日はしっとりと落ち着き、さらに甘さが際立ちます」と伊藤さん