幼稚園の情報は保育課では得られなかった

 幼稚園で最初に考えたのは、「保育園並み」の保育をしてくれるところ。すぐに思い浮かんだのはY幼稚園だった。午前7時半から午後8時半まで預けることが可能で、夜の給食も出してくれる。体力作りにも力を入れていて保育内容も好ましかったが、当然、希望者も多い。年中からの途中入園はまず無理そうだった。

 次なる候補をネットで探そうとしたが、園によっては公式サイトがないところもあり、サイトがあったとしても理念が述べられているばかりのことも多く、延長があるのかないのか、保育内容がどうなのかも分かりにくい。区役所の保育課に行って資料をもらったりなどしながら検討したが、担当者が園の状況についてあれこれ答えてくれる保育園とは違い、幼稚園については基本的に自分でコンタクトをとって申し込む形になっていて、仕事の合間に調べるのはなかなか手間取った。

 同時に実家の母に状況を話し、協力を求めるための説得を始めた。Y幼稚園ならば母の協力なしでも済みそうだが、それ以外では母の協力は不可欠だ。幼稚園の場合、昼食なしで12時には戻ってきてしまう「水曜日問題」があるし、長い長い夏休みもある…。

協力体制の確保のため両親を説得

 父も母も趣味にいそしんでいるとはいえ、リタイア後なので時間的余裕はある程度ある。だから今までも孫の世話は喜んでやってくれたが、幼稚園生活の日常的なサポートとなると話は別だ。特に頼みの母は、高齢で体力に自信がなくなってきたことが、躊躇する一番の理由だった。とはいえ、今までに比べて外遊びが減って不満げな孫の現状をふびんにも思っていて、最終的には、きめ細やかな保育という点では不安が残るものの体力面では万全の父と、協力しながらサポートしてくれることを約束してくれた。

 こうして協力体制は確保できたが、すべてがトントン拍子に進んだわけではない。肝心の転園先がなかなか絞り込めなかった。仕事もあるのでじっくり調べる時間もなかなかとれない。一方で、本当に転園させるべきなのかと迷ってもいた。今まで3園も通ったのは娘にとっても負担のはずだ。しばらくは落ち着いた生活を送らせてあげたい。仲の良い友達もできたようだし、このままでもいいのではないか…。それに、働く親にとってはやはり保育園は便利だった。いくら父母の協力があっても、はたして幼稚園に通わせて仕事は回るのだろうか。