2歳で卒園後は、近所に新設された認可園に?

 あれこれ悩んだ末、「大田区の実家に引っ越し、半年間、親子3人で居候。娘を2歳児までの認証園に通わせながら、卒園後の転入先を急いで探す」という結論にたどり着いた。4月以降にどうなるか全く分からず不安でいっぱいだったが、杉並区に暮らしながら大田区の保育園・幼稚園を探すのは意外に大変で、見学ひとつとっても半日以上かかり、仕事にも支障が出る。とにかく大田区に移ってじっくり腰を据えて情報収集することに決めた。

 数年前に祖母の介護生活を終えてのびのびリタイアライフをエンジョイしていた老親には申し訳ないが、孫の笑顔に免じてしばらくは窮屈な生活を我慢してもらうこととなった。こうして娘が2歳の7月の終わりに、思い出深いA保育園を涙、涙で後にし、8月から大田区にあるB保育園へと転園した。

 B保育園は株式会社が運営する2歳児までの認証園。小さいながらも庭があることや、一戸建てで広さにも余裕があることから、この園に通わせることに決めた。いくつか見学した認証園はビルの一角にあることがほとんどで、かなり狭さを感じていたからだ。

 それなりに吟味して保育園を選んだが、正直なところ、約半年間で卒園するため、B保育園にはあまり期待していなかった。だが、2人の担任は共に人生経験豊富で人柄も良く、子ども達をきめ細やかに見てくれ、散歩も多く、イヤイヤ期の娘が1カ月ほど通園を嫌がって泣き暴れて苦労したりはしたが、想像した以上に園生活を楽しむことができた。

 また、不安でたまらなかった翌年4月からの保育園についても、ちょうど近くに3園ほど新設の認可園ができたこともあり予想外にスムーズに進んだ。“幼稚園構想”も立ち消えとなり、「これで3年間は落ち着けるね」と皆で喜び合ったのは、まるで昨日のことのようだが、まさかその後、入園早々に転園を考えることになるとは思ってもいなかったのだ。

(ライター/青山珠子 写真/鈴木愛子)