「妊娠中、認可園と認証園の違いすら分からなかった」という青山珠子さんは、夫婦で制作会社を営むワーママです。40代で授かった1月生まれの長女は、杉並区にある2歳クラスまで(当時)の認可保育園に生後2カ月で入園。その後、引っ越しのために大田区に移り、認証保育園を経て、就学前まで通える新設の認可保育園に決まったものの、入園早々、「転園」を考えるようになり、今は幼稚園に通っているといいます。そんな青山さんの「転園記」を上下2本の記事でお届けします。

 青山さんの体験からは、規模の小さい保育施設の増加に伴い3歳以降の行き先が確保できなくなる「3歳の壁」や、「公立保育園の減少と認可保育園の民営化」の問題も見えてきます。

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(下)転園先の新設保育園は窓も開けられず外で遊べず

出産から2年後の引っ越しを機に、娘は転園3回に…

 働く親にとって保育園にまつわる悩みは尽きない。種類も多く、認可保育園に認可外保育園、東京都独自の認証保育園に、広がりを見せる小規模保育園など、地域によっても名称が違うこともあるし、保育ママに事業所保育などなど、妊娠前からこれらの種類に精通している人など皆無だろう。私も妊娠中、認可園と認証園の違いすらさっぱり分からず、わが家にとっては何がベストか本当に分からなかった。

 この春、匿名ブロガーによる「保育園落ちた日本死ね!!!」投稿などにより、0~2歳の子どもを保育園に入れるのが至難の業なのは、よく知られるようになった。また、認証保育園もそうだが、都市部で増えている小規模保育、家庭的保育など小さい規模の保育園は2歳クラスまでしかなく、そうした2歳クラスからの就学前まで通える保育園への転園が大変なことも「3歳の壁」として注目されつつある。

 でも実は、引っ越しや転勤に伴う子どもの保育園の転園も、やっぱり大変なのだ。同じ自治体の中で引っ越しした場合も、転園希望先に空きがなければ困難だし、それが異なる自治体間での転園となるとかなりハイレベル。申し込みの方法も自治体ごとに異なり、ましてやそれまで住んでいた自治体よりも激戦区の可能性もある。住民票を移してからでないと受け付けない自治体もあるし、下準備だけで心が折れそうになる。当たり前だが、希望園にすんなり入れる人のほうが少ないし、入れば入ったで今までの園との違いに戸惑ったり、新しい園の方針と合わずにストレスを感じたりする人もいる。

 わが家の娘も引っ越しその他で、認可園→認証園→認可園と転園し、今は幼稚園に通っている。もちろん共働き世帯だ。

 妊娠前から子どものいる生活を想定してきちんと生活設計を立てておかなかったツケといえばそれまでだが、出産から2年後に引っ越したことで、娘には落ち着かない日々を送らせてしまうこととなった。ここからは、皆さんの今後の参考までに、そんなわが家の転園記をお話しさせてもらいたい。