子どもとの目線の高さが変わるところをつくる

 メタ視を活かした空間づくりの例としては、家族をゆるやかにつなぎ、ともに成長するリビングの中に作る、床を高くした「ステージリビング」が挙げられます。

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福島県福島南展示場のピットリビングやステージリビングがあるLDK。発表会の練習は、視線の高くなるステージリビングですることで、自信につながる

 「床を高くしたステージリビングは、空間がつながっていても、独立した雰囲気がうまれます。この適度な距離感をいかして、子どもが自由に過ごしながらも互いの気配が伝わりやすい家族それぞれのイドコロをつくりだせます」(積水ハウス総合住宅研究所の河崎由美子課長)。

 ステージリビングは、ライフステージにあわせて、子どものお昼寝用スペースや、遊びに没頭する場所、大人の趣味空間にまで活用できます。また、同じ空間でも一段高くなっている床に登ると、視線の高さが変わることで、空気感が変わります。「子どもにとっては、いつもは見上げている大人と視線の高さが同じなったり、見下ろしたりできるので、少し偉くなったような気持ちになったり、見下ろした時の眺めの新鮮さに気づいたりできます」

子ども部屋に人気のロフトの手摺り部分をクリアガラスにすることで、手摺りに登らずに下をのぞくことができる
子ども部屋に人気のロフトの手摺り部分をクリアガラスにすることで、手摺りに登らずに下をのぞくことができる

 ステージリビングや、踊り場の広い階段空間、ロフトや二段ベッドは、子どもにとって、ちょっとした“自信”を感じさせる、とても楽しい『メタ視』空間になります。でも、夢中になっても落ちてしまわないように、パパママとしては注意が必要。「二階など高い所に上ったら、下を見下ろすことができるかをチェックすることが大事。見下ろすことができなかったら、背伸びしたり足がかりを探すなどして、なんとかして見ようとするのが、“こども”というもの。ガラスのはめ込み窓で簡単に下をのぞけるように工夫するなど、子どもが上りたくなるきっかけを少しでも減らすことが大切です。事故につながることがあるので、気をつけて」(河崎さん)。

キッズデザイン協議会
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(文/大森広司 写真/宮田昌彦)