こんにちは。旅行ジャーナリストの村田和子です。サービスの裏側を紹介する「裏側探検隊」。今回は職業・社会体験施設「キッザニア」にフォーカス。キッザニア10年の歩みとその裏側をお伝えした「上」に続き、「下」では未就学から中学生のお子さんまで、幅広い年代が将来について学ぶきっかけとなる取り組みや、未来を生きる子ども達に向けた施策を、10周年のイベント情報も交えて紹介します。

 上編に続き、東京・甲子園のキッザニアを企画・運営するKCJ GROUP 株式会社 取締役 専務執行役員の上林恭一郎氏に伺いました。

<上編はこちら> キッザニア10年 「いつも子どもが主役」の裏側

キッザニアを楽しめるのは小学生? 実は未就学児や中学生も

 キッザニアの対象は3歳から15歳の子どもですが、中学生になると訪れる機会がぐっと減ります。でも意外と知られていませんがキッザニアには中学生だけの特定日があり、にぎわっているんです。

 「中学生になるとよりリアルに将来の自分や世の中について感じられるのではないかという思いがありました。小学生と一緒に体験するのは気恥ずかしいだろうということで、2011年に中学生限定の日を設定したところ、キャリア教育の観点から注目され、最近は地方の修学旅行生を中心に利用されています」と上林氏。

 私も中学生限定の日を取材してみましたが、大きな声で積極的に接客をする様子、真剣なまなざしでモノづくりにチャレンジする姿は新鮮で、微笑ましく感じました。

中学生だけの特定日があり、にぎわっている
中学生だけの特定日があり、にぎわっている

ジュニア チャレンジ ジャパンで人気だったソーシャルパーティー ※
ジュニア チャレンジ ジャパンで人気だったソーシャルパーティー ※

 また、昨年11月、今年3月には中学生を対象とした「ジュニア チャレンジ ジャパン」を開催。中学生向けにバージョンアップした通常の職業体験のほか、ドローンの操作体験、お坊さんによる座禅体験、IT技術を学ぶプログラミング体験、プロの棋士に挑戦など、多くのものに触れて興味・関心を広げてもらうきっかけづくりを目的としたイベントも開催しています。

 「劇的に変わる世の中で、現状の職業の半数が消失するともいわれています。そんな時代を生き抜くためには、自分で考え行動することが重要。そのきっかけづくりにキッザニアがなればと思います」と上林氏。

 イベント内では、キャビンアテンダントやお笑い芸人、オペラ歌手など、様々な職業の方とテーブルを囲み、飲み物やおやつで歓談するソーシャルパーティーを開催。

 「正直、今どきの中学生は興味を示さないのでは?と思っていたのですが、予想以上に盛り上がりました。『中学生のときはどんなことを考えていたのか?』などの質問が多く出ていました」(上林氏)