東京都の舛添要一知事の辞職が決まりました。政治資金流用疑惑など知事を巡る一連の批判について、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんは、「セコいことが本当の問題なのでしょうか」と自身のブログで指摘します。この記事は、駒崎さんのブログより転載してお届けします。

 俺は東京生まれ、江東区育ち♪の駒崎です。東京都子供子育て会議という、都の子育て支援系有識者会議の委員もしていました。

 昨今、我らが舛添都知事が、フルボッコです。「違法ではないが不適切な支出」を繰り返し、税金を無駄遣いしていたことに、都民は激おこです。お前、セコいんだよ、と。

 しかし、セコいことが本当の問題なのでしょうか。彼の不適切支出で返金することを言及したのは、数十万円規模です。おそらくはもっと多いので、数百万~数千万くらい「違法ではないが不適切」なものはあるかもしれません。

 これは確かに都民や国民に迷惑をかけたわけですし、無駄にお金を使ったことは悪い事なのですが、このセコさを叩くあまり、実はもっと激しく都民にダメージを与えていることに、我々は気が付いていないのではないでしょうか。

待機児童ナンバーワン都市、東京

【待機児童が多い都道府県】

1位 東京都 7814人
 2位  沖縄県 2591人
 3位  千葉県 1646人
 4位  大阪府 1365人
 5位  埼玉県 1097人

(厚生労働省資料より)

 東京都は、言わずと知れた待機児童ナンバーワン都市です。そしてそれは舛添都知事もご存知で、だからこそ都知事選挙の時に、待機児童の解消を政策としてうたったわけです。

 しかし、舛添知事はこの2年間、待機児童対策として、何か東京都独自の施策を打ち出したでしょうか?
 残念ながら、答えは「何もない」です。