働く時間で区切り、他人の「評価」で決められるのが一般的な組織。子どもの病気が多く、長時間労働をしにくいうちは認められるチャンスがありません。「公募で採用されたのをきっかけに実績を作る」という道も閉ざされてしまいました。

 「貝になるの。黙って定年まで働いて、お給料をもらうのよ」とアドバイスしてくれたママもいます。それも一つの生き方かもしれません。私は、貝になれなかった。20年もいろいろな部署を経験して、たくさんの人に出会いました。スキルや、やる気を生かせないと、気持ちが死んでしまう。

 第一線には30代が多いので、若いママはまだ活躍の場があるように思います。同期の管理職もいるけれど、激務。十分なサポートがあるか、子どもを預けまくるかで乗り切っているのではないでしょうか。

子育てとフルタイム勤務を両立することは無理なのか

 フリー契約も含め、他の会社で働くことも考えました。40代、子連れ。新しい会社で仕事を学び、人間関係を作り、走り回ることができるか。一つの組織に入ると、収入や社会保障の面では安定しますが、やらなければならないことが多く、それはそれで大変。「何でもやります!」と言って仕事をもらう段階でもなく、微妙な立ち位置です。

 知り合いのベテラン会社員女性にメールすると、こんな返事が。「今の会社を辞めないほうがいい。上司の立場からすると、子どもが幼い人は採用したくないし、本音は会社を辞めてほしい。新しい仕事は紹介できない」「補助的な仕事しかもらえないという不満をうちの会社でも聞くけど、子育てもして責任ある仕事もなんて、無理でしょう。子どもが大きくなるまで、待てばいい

 この人が、特に厳しいわけではなくて、スタンダードな意見なのだと思います。そうか、これが社会なんだなと妙に納得してしまいました。アラフォーママは、子どもが育つのを待っていたら定年になってしまいますが。

 他の人にも、「二度と正社員になれないよ」「定年まで勤めたら、退職金が全然違うから、見てごらん」と言われました。定年までって、このあっぷあっぷ生活をずっと続けるのか。子どもが育っても、放っておけるわけでもなし。食事や家のこと、受験のケアなど高度な課題が出てくるでしょう。保育園で安全に過ごしている今が平和だと分かります。