メディアで20年のキャリアを積んできたなかのかおりさんは、最近、退職を決断しました。39歳で初めての出産。育休を取って復帰したときに待っていたのは、アウェイの部署での仕事でした。業務に慣れる間もなく次々と襲ってくる子どもの病気、上司や同僚からの理解のない発言や態度。なかのさんは、心身を病みながらも現状を打破しようともがき続けますが、悪循環のスパイラルに陥っていきます。マミートラックにはまってしまった一人のママのストーリーを、4回でお届けします。

第1回 出産したら四面楚歌 私のキャリアどうなっちゃうの? ←今回はココ
第2回 子どもの病気がこんなに多いなんて、知らなかった
第3回 入社15年、がむしゃらに働いてきた。それなのに…
第4回 二度と正社員になれないかも…それでも退職へ

看護休や遅刻早退を注意され、評価はボロボロ

 こんにちは。39歳で初産した、メディアで働くママです。

 入社して20年。地方勤務も含め、10カ所ぐらいの部署を経験しました。長く携わっていたのは、現場に行き、人に会い、形にする職種。出張や休日の仕事もありますが、個人の裁量に任されていました。妊娠中に異動した先は、初めて経験する内勤の部署。シフト制なので欠勤に厳しく、「席にいる」ことが大事です。産休に入る前は、それまでのキャリアがゼロになってしまうことや、価値観の違いによるアウェー感を予想できませんでした。

 3年前、娘が1歳になってすぐ、育児休暇から復帰しました。決まった時間に出勤し、子育てや家事もする。その職種にも、子育てにも慣れていない。何より子どもの病気の多さは、私も初体験。看護休や遅刻早退を注意され、評価はボロボロ。希望の部署への異動もなく、身も心も打ち砕かれました。

 育休から復帰して娘が2歳になるまでは、「育児時間」として1時間の短縮が認められ、午前10時から午後5時までの勤務でした。2歳になったら、午後6時までに。勤務が1時間、延びただけで体がきつかった。

 保育園のお迎えに駆け込み、歩道を走ったり座り込んだりの娘を連れて帰ってごはんを用意。おふろに絵本に、寝つくまでべったり。会社にいるときから緊張が続き、アラフォー新米ママはくじけそう。

アラフォー新米ママへの風当たりは強かった
アラフォー新米ママへの風当たりは強かった