A. 地域の小学生に学校施設を開放する遊び場事業。従来の学童保育の持つ「安心できる空間」が損なわれることも。

 都市部では、自治体で「全児童対策」と呼ばれる放課後事業を行い、そこに学童保育を吸収しているところがあります。「全児童対策」とは、文字どおり、留守家庭の子どもだけでなく、地域の小学生のために学校施設(主に校庭)を開放した「遊び場事業」です。

 近年、子どもの遊びの個別化が進み、問題視されていることを考えると、集団で遊ぶ機会を増やそうという意図はとてもよいのですが、留守家庭の子どもにとっては、喜んでばかりいられない面があります。

 まず、遊び場事業には定員がないため、利用者が多い場合にはとても落ち着かない環境になってしまいます。そこに学童保育を完全一体化してしまうと、留守家庭の子どもには、家庭の代わりとして利用する落ち着いた生活空間がなくなってしまうのです。

 遊び場事業と学童保育が一体化していても、学童保育児のための専用スペースがあり、おやつを食べたり休息したり、宿題をしたりできるようであれば、遊び場事業と一体化しても問題ないでしょう。ところが、中には、学童保育の子どもも一般児童と全く同じ扱いをする遊び場事業もあります。そういった自治体では、家に帰れない子どものために、安心して過ごせる生活の場としての環境を整えてくれるようにと親達が訴えているところです。