意識が低い社員にも、初年度は平等に機会を提供

 セミナー終盤、岡本さんへの質問コーナーではこんな質問も寄せられました。

 「意識が低い、現状維持で満足という女性社員達にはどう対応すればいいのか?」

 アフラックでは女性活躍推進への取り組みを開始する際、「やる気のある女性社員に向けて行うか、女性社員全員に向けて行うか」を議論したといいます。そうして出した結論が「初年度はすべての女性社員を平等に対象にする」ということでした。

 「女性社員はこれまで、上司からキャリアアップの機会を男性と平等に与えられてこなかった可能性が高い。意欲がなかったり斜に構えていたりするのは、そもそもこれまで会社が機会を提供してこなかったから。その反省も込めて、全員に平等に行うことにしました。全員に会社の思いを伝え、成長のチャンスも与えて1年経った今、それでも『やはり私はこのままでいい』という人に対しては、無理強いはしません。『上を目指したい人には会社が応援します』というように、メッセージを変えました。働き方は人それぞれでいい。その気がない人に女性活躍を強いても、全体のモチベーションが下がるだけだと思いますから」(岡本さん)

 「女性活躍推進=組織風土改革」に向け、同社が1年目の目標として掲げたのは「意識醸成」。全社員が、会社が目指す方向性を頭で理解することを促しました。

 2年目となる今年の目標は「行動変容」。女性社員は昇格のためのスキルを身に付ける、管理職は女性社員の育成に力を入れるなど具体的な行動を起こすことを目指し、会社側はそれをサポートしていく方針です。

(ライター/青木典子、撮影/鈴木愛子)