2015年を「女性活躍推進元年」と定めたアフラック。全社にメッセージを発信するとともに、課長代理になる手前の女性社員約700名、管理職約600名を対象とした研修を中心に施策を展開してきました。
2014年に社内で行った調査では、60%以上の女性が管理職になることに否定的だったのに対し、2015年末時点の調査ではこの割合が40%未満に減少。管理職になりたいと考える女性は約20%から25%ほどに上昇するなど、着実に成果が上がっています。
前編では山内裕司社長に、女性活躍の推進を決意したきっかけ、取り組み、成果の概要をお聞きしました。後編となる今回は、6月9日に開催したDUALセミナーのリポートも交え、短期間で成果につながったポイントをご紹介します。
ゆっくり進めると温度差が生じる。「全体を同時に加熱」が必要
2015年の1年間、アフラックでは女性活躍推進に関するイベントやセミナーがほぼ毎日のように行われていたといいます。女性活躍推進について、組織規模が大きい企業では3年・5年といった長期計画を立てているケースも多数。しかし、同社は1年という短期間で一気に推進しました。この「短期集中」にこだわった理由について、山内社長はこう語ります。
「女性活躍推進とは『組織風土改革』だと考えています。風土改革というのはゆっくり進めていたのでは、途中でよく分からなくなってしまうもの。長期にわたって順次進めていくと、こちらの人は熱く、あちらの人は冷めているという状態が発生するでしょう。冷めている人がいれば熱くなった人も冷めてしまう。だから、全体をまとめて熱くする必要がある。そこで、社員皆が短期間で同じ意識を持てるように、少なくとも会社がやろうとしていることを理解できるよう、短期間で推進しました」(山内社長)
数々の施策を現場で推進したのが、ダイバ-シティ推進部長を務める岡本文子さんです。岡本さんは6月9日のDUALセミナーに登壇。組織風土改革の過程の様子をこう振り返りました。
「最初に石を動かすのは大変ですが、ごろっと動いた瞬間から、その先は意外と簡単にころころっと進んでいくものだと思います。女性の場合、隣の人が何か新しいことを始めるとすごく気になる。昨日まで一緒にランチを食べながら雑談していた人が、あるときから昇格の話題を出す、昇格要件であるTOEICの勉強を始めるなど、周囲が変わり始める。この人も頑張っている、あの人も頑張っている……となると、やはり刺激を受けるんですね。こうしていい回転が起きてくる」(岡本さん)