スマートフォンを含む携帯電話を持つ小学生が増えた。一方、スマホを自由に使いたい子どもの意向を反映させてか、フィルタリングをかけない家庭が増えている。未成年の利用するスマホのフィルタリングが法律で義務化されるという話も出ている。

 スマホのフィルタリングは携帯電話やPCとは違い、1種類だけかければいいというわけではない。スマホのフィルタリングについて整理するとともに、子どもが安全にネットを利用するために大切なことを考えていく。

事件を読む! 小学生のフィルタリング率低下

今回取り上げる記事の一本目はこちら。


毎日新聞 県内子供の所有率 小6で2割、中2は4割強 フィルタリング利用率減、設定呼び掛け/奈良
http://mainichi.jp/articles/20150824/ddl/k29/040/355000c

◇記事のポイント◇

○奈良県のスマホ所有率は、公立小6は2割、中2は4割強、高2は9割強
○フィルタリング利用率は、小学生66.4%、中学生は58.2%、高校生は40.1%で減少傾向
○携帯電話会社のフィルタリングだけでは有効ではないが、有害情報遮断に有効なのでかけるべき

 奈良県では、前年度から3.0~11.3ポイント下がるなど、フィルタリング利用率は全体に減少傾向にある。特に、携帯電話よりスマホのほうが利用率が低い傾向にあるのだ。なお、フィルタリングを利用しない理由のトップが、小学生の保護者では「保護者が適切に管理している」(31.6%)であり、高校生の保護者では「子供を信用している」(53.4%)だった。

 携帯電話会社は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」によって、18歳未満の青少年が携帯電話・スマートフォンの契約をする場合、保護者からフィルタリングサービスを不要とする申し出がない限り、フィルタリングサービスを提供することが義務付けられている。保護者も、18歳未満の青少年に使用させる携帯電話・スマートフォンの契約時、使用者が青少年であることを携帯電話会社に申告する義務がある。(※1)

 なお自民党は、18歳未満のスマホ利用者が増加したことを受け、フィルタリング設定義務化を盛り込んだ「青少年インターネット環境整備法改正法」の今国会での成立を目指しており、今後も動きがありそうなので注目したい。(※2)

記事はイメージです
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