中川李枝子 情操教育は、習い事よりもお手伝いから
【中川李枝子 『ママ、もっと自信をもって』名言集(9)】お掃除、三度の食事、心地よい部屋、お客様を招く食卓。父に教えられたお手伝い
お手伝いは大切な情操教育です
名作絵本約100作品を生み出した児童文学作家・中川李枝子さん。「最新刊『ママ、もっと自信をもって』が、お父さんお母さん、保育士、先生たちのお役に立てたら」と語る。
終戦は札幌で迎えました。当時、私は10歳。国民学校4年生でした。最初に疎開したのは姉と私でしたが、その後すぐに母と弟と妹も、札幌に疎開してきました。
父は、蚕糸試験場と共に山形へ疎開して終戦を迎え、翌年、福島の蚕糸試験場の場長になり、福島で家族がそろいました。私は5年生でした。
官舎のわが家は、試験場の中にありました。家も庭も広く、畑を作り、山羊やニワトリを飼って自給自足ができました。「戦後のいちばん大変なとき、福島にいたから餓死しなかった」と両親は福島にとても感謝していました。
両親は勉強より情操教育に熱心でした。習い事ではありません。三度の食事などのお手伝いです。
畑の草取りや家畜の世話は、子どもたちの仕事です。父は「お手伝いは、人のためより、自分のため」と言っていました。お掃除をしたり、お茶碗を洗ったり、畑仕事をするのは自分のためになるのだから、ありがたく思えって。
両親は勉強より情操教育に熱心でした。情操といっても、ピアノを習ったり絵を描いたりするのではありません。三度の食事をおいしく、部屋を居心地よく、絵や花を飾るなど、ごく日常的なことばかり。掃除、洗濯など、お手伝いも大切な情操教育の一つなのです。
父はお客様を招いて食事をするのも好きでした。家族の食卓に友人や後輩を交えて、お話を聞かせてもらう。私は、お客様のお話を聞くのが大好きでした。
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『ママ、もっと自信をもって』(中川李枝子著、定価1200円+税)
『ぐりとぐら』の誕生秘話が、ここにある。
~天才児童文学作家・中川李枝子の歩んだ道、
日本中のママを感涙させた子育て奮闘記~
戦前戦後を経験し、母として、保育士として、作家として活躍した80年を振り返った貴重な一冊!
◆第一部 子どもと本が教えてくれた
~私の保育士時代、子ども時代
◎保育園の子どもたちに教えてもらったこと
◎みんな、本が教えてくれた
◎『いやいやえん』『ぐりとぐら』が生まれるまで など
◆第二部 ママ、もっと自信をもって
~悩めるママと中川李枝子さんの子育てQ&A
Q. イヤイヤ期の3歳の長男についいら立ってしまいます
Q. 保育園と幼稚園、どちらがいいのでしょうか?
Q. わが子の成長をついほかの子どもと比べてしまいます
Q. 子どもと一緒に読むおすすめの絵本を教えてください など
◆豪華付録:中川李枝子著作リスト 96作品をカラーで紹介