前回記事「高橋ゆき 夜、妻の布団を直してあげていますか?」で、「自分達の輝く姿を子ども達に見せることは親としての使命」という言葉を放ったのは、日本初の家事代行会社のベアーズ創業以来、社長である夫を支え、専務取締役として奔走してきた高橋ゆきさん。夫婦の関係、習慣や癖、人生を愛する態度に至るまで、家庭内での行いは未来の子ども達の家庭での価値観に確実に継承されてしまうものだからだ。そんな高橋さんを形作った原点ともいえる写真家の父と起業家の母のこと、そしてご自身の子ども時代についてお話を伺いました。

父からの愛は月の光。母からの愛は灼熱の太陽

 自らの経験から編み出されたバイオリズムマネジメント。その上級者を高橋さんは「未来をマネジメントできる人」と定義した。未来のなりたい自分のために今日何をするべきか? 常に自分にそう問いかけるようになったのは実は父の影響が大きいという。

 「私はよく、父からこんなことを言われて育ちました」

 そう言って、“父からもらった忘れられない言葉の数々”を読み上げてくれた。

――人生、起こることすべてに意味があり、教えを頂いているのだよ。本気で願って感謝の気持ちで行動したことは必ずその道が開けてくる。まずは諦めないことだ。君は「すべて自分が選んだ通りになる」という言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれないが、今の自分は過去の君が選んできたことの連続で成り立っている。だから、これからも良いことも悪いことも君が選ぶ通りにしかならない。「覚悟と選択」で好きに生きなさい。嫌なことに付き合うほど、人生に余裕はないはずだ。だから、目の前のことすべてに感謝し、好きになることを努力しよう。楽しく生きていきたいなら、楽しい心でいなさい。充実した毎日を送りたいなら、充実させなさい。人に感謝されたいなら、感謝しなさい。

――明日の太陽は明日も必ず昇ってくる。だから、時に立ち止まり、反省することがあってもメソメソしたり、悲しんだりしている時間はもったいない。人生はあっという間だからね。後悔しないよう、しっかり前を向いて自分らしく歩め。そして「他人のために生きる人間になるため」に自分を大切に。

 これらは17歳のときに父からもらった言葉のプレゼント。高橋さんは父からの贈り物を「命を輝かせている姿を見せるための心の糧」として心に刻み、今日まで自身の教科書にしてきた。

 「未来に感謝する、ということはつまり自分の幸せは自分で迎えに行くということ。でも、多くの女性はそこまで自分に自信が持てない。自分のことが嫌いな人すら少なくありません。そんな女性達を月の光のような優しさで包み込むことができたら。自分を愛しなさい、と私が言うのは子育てもビジネスも同じ。自分を自分で肯定し、命を輝かせている姿を他人に見てもらうことが大切だから、なのです」

 人生はすてきで、楽しい。愛を確認する時間が増え、自分が愛に満たされる瞬間が多ければ多いほど、人は他人に対しても「愛と感謝」に溢れた心持ちで接することができる。自分が輝くよりも人を輝かせたい。ベアーズの事業の礎ともいえる“愛”の発動は父から高橋さんが受けた“愛”に遡る。

 一方で、母からはどんな愛をもらい受けたのか。気になって尋ねると、意外な答えが返ってきた。

 「父の愛が優しく人を癒やす月の光だとするならば、母は真逆の灼熱の太陽のように情熱的でパワフルな人。例えるなら、淡谷のり子と細木数子とデヴィ夫人を足して土井たか子で割ったような人! 豪傑豪快。10本の指に13個もの指輪を着けてロングの毛皮をまとう、バリキャリのママでした」

次ページから読める内容

  • 子育ては量より質。母から娘へ受け継がれたもの
  • 「勉強しなさい」と「早く!」という言葉は高橋ゆきの育児辞書にない

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