女性活躍推進は最優先の経営課題だ
日経DUAL編集部 女性活躍推進に本気で取り組もうと思われたきっかけは何だったのですか?
アフラック 山内裕司社長(以下、山内) 当社は1974年に創業し、私は1976年に入社したのですが、当時から女性が活躍している会社でした。私の同期も半数以上は女性で、優秀な人が大勢いたのです。女性が部長になるのも珍しいことではなく、生保業界で初めて女性役員を輩出していることもあり、当社は女性が非常に活躍していると思っていたんです。
ところが「202030」(2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にするという国の目標)」が話題になったころ、管理職比率のデータを算出してみたところ、想像していた以上に低かった。イメージから大きくかけ離れていたんです。「このままではいけない」と、2014年9月から女性活躍推進のプログラムを立ち上げました。
―― 経営課題の中で優先順位をつけるとすれば「女性活躍推進」はどの位置にあったのでしょうか?
山内 中期で考えれば1番です。短期で捉えるなら売り上げも重要ですが、将来にわたり成長を目指すとなれば(女性活躍推進は)トッププライオリティーだと考えています。今やっておかないといずれ成長に陰りが出てしまうと考えました。
生命保険というと、以前は会社のオフィスにセールスレディーが入って主に男性のお客様に営業し、男性に契約してもらっていました。今はショッピングモールや路面店の保険ショップで保険が販売される時代。夫婦が一緒に来店して相談しながら決めることが増えていますが、決定権は女性に移ってきているんです。となると、男性主体の組織で物事を考えていてはいけない。
これまでも女性のチームが女性向け保険プランを企画することはありましたが、それは現場レベルの話。経営の意思決定の場に女性の声が反映されていたかというと、そうではありませんでした。そこで、ここにきて女性に焦点を当てたわけです。
単一の考えの人ばかり集まっていると、単一の考えしか出ない。生活者の多様化に伴い、会社も多様な考え方を持たなければ今後生き残っていけませんから。
実際、女性活躍を推進していくとなると、育児中の女性もいますので、働き方や働く環境も見直さなければなりません。それは、今までの慣習にとらわれず、ゼロベースで物事を考える機会にもなります。
そうした意味でも、この取り組みには2つの効果があると考えました。
既存の概念を打ち破るということ。それにより女性が活躍することで新たなイノベーションが起きるということ。この2つを重要視しています。
バックナンバー
100社ルポ「仕事&育児の両立」企業の挑戦
-
男性育休取得率が2年で急上昇の理由 あずさ監査法人
-
第2子誕生で2カ月半の育休取得 公認会計士パパの工夫
-
10日以上の「男性育休」取得が1→5割 奏功した策は
-
子が10カ月の時に育休取得 経理パパが得た学びは
あなたにおすすめ
特集・連載
-
人生&キャリアの先輩からメッセージ ターニングポイントを迎えるあなたへ
新年度を迎え、職場でもプライベートでも、新しい生活が始まるという人が多いのではないでしょうか。初めて管理職になった、思い切って資格への挑戦を決めた、といった前向きな変化に直面する人もいれば、役職定年を迎えた、病気が分かった、困った部下が異動してきた…など、不安を抱えている人もいるはず。人生の先輩たちから、「今、目の前にある壁」を乗り越えるメッセージをもらいます。
- NEW
- 6回/全9回
- キャリア
- 2024.04.19
-
結果を出す管理職は何を考え、何をしているのか?
「管理職になった」「これから管理職になる」「既に管理職だが、自信がない」「管理職の仕事に興味がある」――、そんなあなたに贈る連載です。いつも結果を出す管理職が必ずやっている80のことを、12のシーン別に整理しました。ぜひお役立てください!
- NEW
- 9回/全80回
- キャリア
- 2024.04.19
-
ZOOM IN ナウ!
今、気になるニュースや知っておくべきテーマについて深掘りしてお届けします。
- NEW
- 5回/全5回
- キャリア
- 2024.04.19
-
テレビつくりながら考えた
『サラメシ』『DAIGOも台所』『ザ・ノンフィクション』など数々の人気番組を手がけ、女性だけの放送作家オフィスを設立した、放送作家・たむらようこさんが日経xwomanに帰ってきました! ますます精力的に仕事に取り組むたむらさんが、テレビ制作を通じて出会った人たちや、その中で考えたことをライブ感満載で届けてくれます。
- NEW
- 6回/全30回
- キャリア
- 2024.04.19