課長代理手前の女性社員700人全員にキャリア研修を実施

―― 具体的にはどのような施策を打ったのですか?

山内 2014年後半から取り組みをスタートし、実質的には2015年を「女性活躍推進元年」として宣言。課長代理になる手前の女性社員700人全員に対し、今後のキャリアを考える研修を実施しました。しかし、それによって女性の意識が変わったとしても、管理職が理解していなければ意味がありません。そこで、管理職600人に対しても女性活躍推進の啓蒙を目的とした研修を行いました。

―― それに対する社員の反応は?

山内 開始当初は当の女性も含め、懐疑的な目で見ていた社員が多いと思います。しかし、2015年の後半以降は「会社は本当にやる気なんですね」という声を聞くようになりました。

 私は、タウンホールミーティングで全国の支社を回っているのですが、年初に行った際は女性社員があまり発言せず議論が弾みませんでした。しかし後半になると、「私も将来のキャリアを考えながら会社生活を送っていこうと思います」という積極的な声が聞こえてきましたね。

―― 会社の意向が、社員に伝わったのですね。

山内 私自身が全国の支社に出向き、社員と直接話をしましたからね。1支社当たり10人強の人と、1時間半~2時間ほどの時間を取って対話をしました。私が何を考えているかを伝え、社員の意見を聴くということを直接行いましたので、会社が本気であることが伝わったかと思います。