育休期間を利用して家族でアジアを長期旅行

 同時に、子どもには海外で教育を受けさせる方針を固めた。

 「一言でいえば、親である僕と同じ道を歩ませても仕方がないと思ったからです。遊びの時間を削って受験勉強をさせて“いい学校”に入らせて“いい会社”に入れて。まさに僕がそのルートを歩んできましたが、社会に出て感じたのは失望でした。だから、自分の子どもにはもっと違う教育を与えたいと海外に目を向けました

 そこで吉田さんが取った行動は、実際に海外を見て回ること。2014年の次男誕生を機に、勤め先の会社の男性社員の間では珍しかった1年間の育児休暇を取得し、うち約4カ月間を家族を連れての“海外視察ツアー”に充てた

 世界と日本をつなぐ新たな事業プランを具体化するための視察も兼ねていたが、移住準備として実際の生活体験や子どもの入学準備のための長期旅行を計画したのだ。


セブ島で滞在したのはAirB&Bで探したかなり田舎の家。街に出るにはまず写真のライシカという乗り物に乗り、次にバイクの人力車に乗り、そしてスーパーでタクシーや乗り合いバスに乗り換えなければならなかった。トライシカのドライバーとは顔見知りなのに、毎回10円か20円かといった料金交渉が…

 「やると決めたら計画的な行動が重要だと思いました。妻ともよく話したうえで、当時5歳になろうとしていた長男が小学校に入学するタイミングで海外教育をスタートさせようと決め、そのための準備として家族海外ツアーを計画しました」

 なぜ小学校からかという答えは明快。「いい教育を受けさせるタイミングは早いに越したことはないし、よい結果を生まないと僕が感じた日本の受験競争を経験させるつもりはなかったから」

 ――次回は、海外移住のために吉田さんが具体的に取った準備の中身について詳しく紹介する。

■海外移住決定までの準備ステップ ~吉田さんの場合~

吉田和充(よしだ・かずみつ)
2016年3月、CMプランナー/ディレクターとして19年間勤めた博報堂を退社。在職中に1年間の育児休暇を取得し、その間に家族でアジア放浪旅へ。そうした経験から、子どもの教育環境を重視してオランダへ移住。オランダと福岡で、デザイン・コンサルタント/クリエイティブ・ディレクター/ライターとして、広報広告全般からマーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、海外進出などを行う会社『SODACHI』@オランダと、『スタイラ東京』@福岡を起業。食や教育など人間の真ん中に携わる分野が得意。オランダ移住や起業、進出を考えている会社や店舗などの相談にも乗っている。元サラリーマンクリエイターの海外子育てブログ『おとなになったらよんでほしい|おとよん』で記事を更新中。Facebookはこちら

(文/宮本恵理子)