夫婦間のマンネリはそんなにいけないこと?

 子どもの場合、毎日同じことを繰り返すことが、心の安定・安心につながります。ごはんを食べて、寝て、起きるという繰り返しがその子の「生活の基準」を作るんです。

 そこから考えると、夫婦間のマンネリも「日常が安定している」ということの裏返し。そんなにいけないことなのかな?と、私は思います。何でもない当たり前に過ぎていく日々こそ、掛け替えないものなのですから。

 結婚して一緒に生活をしてみて、期待外れだったこともお互いにあるでしょう。でも、ただ怒りを表して、それで改善できるなら、「マネジメント」は必要ありません。仕事では、面談などで期待値調整をしますよね。失望してあきらめるのではなく、どうしたらできるようになるか、課題設定が間違っていなかったかなどを考えます。問題解決思考が仕事だったら働きますが、家庭になると途端にできなくなるのが不思議です。

 そんなときは、「仕事だったらどうしていたかな?」と、考えてみるのがおすすめです。

 例えば産前、「子どもが生まれたら、毎日パパがお風呂に入れてくれるはず」と、ママ側が思っていたとします。でも、いざ生まれてみると仕事が忙しくて、平日はなかなか毎日入れるというのは難しい。では、「週末だけお願いする」と決めてはどうでしょうか。

 こんなふうに一つずつ、改善点を明確にしていきましょう。想像力を使い、アイデアで乗り切ることも必要です。

 たくさんのパパの話を聞いていると、ママとの関係や物事を、上下や勝ち負けで見る傾向があるように思います。ときにはママが強い意見を言うことがあってもいいですし、パパが言うこともあるでしょう。「フェアであること」が大前提の関係性であってほしいものです。こうしてほしいと思う欲求は、ちゃんと相手に言えばいいのです。

 上下ではなく物事を見られるようになったら、項目ごとの担当や最終決定者を決めていきます。どちらかに偏ってしまうと負担になりますから、夫婦がお互い、素直に意見を伝え合える関係性を作れるといいですね。

(撮影/鈴木愛子、吉澤咲子)