マイナス金利時代に突入し、住宅ローンの金利が軒並み下がっています。住宅ローンをこれから組む人、既に組んでいて借り換えが気になっている人にお届けする住宅ローン特集。3本目の記事では、これから住宅ローンを組もうと思っている方に向けて、「固定金利と変動金利の違い」などの金利の話から、「どのように住宅ローンを選んだらいいのか」といった内容まで、初歩の初歩からお伝えします。

【マイナス金利時代の住宅ローン 特集】
第1回 マイナス金利時代の住宅ローン 今は借り時、返し時?
第2回 夫婦で住宅ローンを組むときに押さえておくべきこと
第3回 固定金利&変動金利どっちがいい?住宅ローンの基本 ←今回はココ
第4回 離婚?収入減?住宅ローンと人生のリスク
第5回 繰り上げ返済は?教育費と老後費用との兼ね合い

「ローンを組んでしまってから、ローンのことが分かった」との声も

 住宅ローンを初めて組む人が、特に迷ってしまうのが「固定金利」や「変動金利」という住宅ローンの金利の種類です。既に、住宅ローンを組んだことがある日経DUAL読者からは、「住宅ローンを組んだ当初は固定・金利の違いもあまり詳細に理解しないまま、手続きを進めなければならず、不安を感じた」「ローンを組んでから、ローンのことがやっと分かった。もっと慎重に検討すべきだった」という反省の声も聞かれました。

 読者アンケートの「住宅を買うとき、考えたり心配したりしていること」という質問でも、固定金利か変動金利か、ということは2番目に多い回答になっています。

 『住宅ローンのしあわせな借り方、返し方』(日経BP社)を執筆したファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみさんに、固定金利と変動金利についての解説をしていただきます。

 「住宅ローンの金利には種類が3つあります。固定金利、固定金利期間選択型、変動金利です。まず、固定金利は、借りたときの金利が返済終了まで続きます。金利が変わらないので、返済額もずっと変わらないというシンプルな仕組みです」

 「変動金利は、半年ごとに金利が変わる仕組みです。それにより、返済額に占める利息と返済元本の割合が変わります(返済元本=返済額-利息)。そして5年に1回、返済額が変わります。金利が上がれば、毎月の返済額も増えますが、返済額の上昇は、1回につき1.25倍が上限と決まっているので、それ以上大きく上がることはありません」

 「固定金利期間選択型は、5年固定や10年固定など、当初の一定期間は金利が変わらず、一定期間経過後はその時点での金利で、変動金利や再度固定金利になる仕組みです」

 「現在(2016年6月時点)の金利は、変動金利が0.7~1.0%程度、固定金利はフラット35なら1.1%程度、固定金利期間選択型は、何年固定かによって変わります。その中でも人気なのは10年固定ですが、35年ローンならば10年後でも3分の2以上のローンが残っている点に注意してください」(中嶋さん)

<次ページからの内容>
・家を買う時点でリスク。金利でリスクを取る必要はあるのか
・具体的におすすめの金融機関や商品とは?
・「変動が上がったら固定に変えよう」というのはアリ?