親の関わり方で覚えておきたい3つのこと

Step③: 親が情熱をもってフォローする

 製造業でも「一度は改善活動で進化した現場も、いつの間にか元に戻ってしまった」というケースはよく耳にしますが、これは担当者のみに改善活動を一任していたから。ある活動や仕事について、担当者が成長すればするほど担当者に任せ切りになりがちです。しかし、どんなに優秀な担当者であっても、上司や経営層の関与がなければ、次第にやる気が低下するリスクはあります。

 家庭の場合でも、一旦チェックリストが軌道に乗って日々の生活習慣が改善されたとしても、それが継続できるか否かは親の責任。以下では、フォローする際のコツをお伝えします。

 1点目は、毎日親からコメントをすること。日常管理板への上司コメントや社長の現場訪問が励みになり、担当者が日々の改善活動に前向きになるというのは製造現場でもよくあるケース。同様に、毎日の心を込めたコメントで「ママやパパが応援してくれている」ことを感じた子どもは、前向きさが継続しやすくなります

 2点目は、成長段階に応じて与える課題を変えること。連載の1回目でもお伝えした通り、一旦作ったルールも状況に応じて変えていく必要があります。今回の取り組みを続けていると、子どもの「やり切る」力はぐんぐん成長し、従来の目標値が楽々クリアできようになる一方で、達成感も徐々に薄れていってしまいます。その段階になると、少しだけ難しい課題を与えるのです。

 例えばわが家では、6歳の長女の試みに刺激を受けて「何かやりたい!」と言う3歳の次女に、夕方のお風呂掃除を移管。代わりに、6歳の長女には2人分の朝ごはんの準備という新しい課題を与えました。この一連の変化は、子ども達の生活習慣づくりに役立っただけではなく、当初はママ1人がやっていた家事が長女・次女に権限移譲することでママの負荷低減にもなります。まさに、一石二鳥です。

 3点目は、成長段階に応じて親の関わり方も変えること。最初は、目標を決める・チェックリストをつける・グラフを作成するなどの一連の流れについて、親が子どもに付きっきりになる必要があります。

 しかし「自分で目標を立て、それをやり切る」という状態にもっていくには、親は徐々に関与度を下げる必要があります。例えば、チェックリストのつけ方。最初は「○○の項目、今日はできたね」と一緒につけていくのですが、子どもが自分で判断ができるようになると自分でつけさせます。

 それでも不安な場合には「○○の項目、私はできたと思うけど、ママはどう思う?」というように、自分の意見を言わせたうえで確認させるようにしましょう。あくまでも、判断する主軸は自分。そして、「親から言われたからやっている」のではなく、「自分のため」なのです。それを子ども自身に常に認識させることを忘れないように。

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 さて、以上が「やり切る」習慣づくりの内容となります。今回の取り組みを実践する場合、親にそれなりの覚悟と継続力が必要なのは事実です。

 しかし、子どもの成長を後押しした時間と、そのプロセスを落とし込んだチェックリストは、かけがえのない思い出になるはず。そっくりそのまま実践はせずとも、新しい視点で日々のお子さんとの関わりを考えるきっかけになれば幸いです。