折れ線グラフやマス塗り

Step②: 頑張りを正確に見える化する

 次に、Step①で作成したチェックリストを集計する際のコツをお伝えします。ここでは、いかに子どもの頑張りを正確に表現できるかが要。それ次第で、子どものモチベーションや目標達成度の把握のしやすさ(「やり切る」ことができている=正常/できていない=異常)が決まります

 最初に、毎日の目標値の設定、つまり、どのくらい頑張りたいかを決めます。

 例えば、習慣化関連の項目6個のうち5個を頑張る、年間目標関連の項目4個のうち1個を頑張ると決めた場合には、6個が目標となります。

 初めてこの取り組みをする場合には、ここでの目標値を欲張り過ぎないこと。「自分で決めたことをやり切れた!」という成功体験を子どもに味わわせるために、最初はあえて低めに目標設定してもいいくらいです。たとえ最初は少ない項目しかできなくても、毎日子どもが楽しく取り組み、それを親が地道にフォローしていけば、できる項目数は必ず少しずつ増えていきます。

 目標値が決まったら早速実行に移ります。毎日のチェック数の合計値を記録することが基本ですが、それだけでは不十分です。

 ポイントの1つ目は、すぐに見て分かる状態にすること。数値のみの記載では、一つずつ「読む」必要があり、やり切れているのか否かを「見て」一瞬で把握することができません。

 おすすめは折れ線グラフ。目標値に赤線を1本引いてそれに対するグラフにすれば、目標の達成度や毎日の推移が一目で分かります。折れ線グラフは視覚的なツールなので、たとえ子どもが正式に習っていなくても、説明すれば理解できます。

 2つ目は、毎日の合計だけでは頑張りが表現し切れない項目があること。ピアノのように練習量に比例して上達する目標については、1日単位で全項目を合計してしまうと、目標達成へのプロセスや進捗度が分かりません。

 これには、目標ごとの合計値を見える化するのがおすすめ。例えば下の写真のように、1列6マス(6マス塗ると1時間になる)の表を作り、10分やったら1マスを塗るようにします。

グラフを活用することで、子どもでも「見て分かる」&正常・異常を発見できる
グラフを活用することで、子どもでも「見て分かる」&正常・異常を発見できる

 この表を見れば、年間目標に対してどの程度頑張っているかというプロセスが一目で分かります。加えて、年間目標関連の項目が複数ある場合には、塗られたマス数の違いから項目ごとの時間の偏りが子どもでもすぐに分かります。そうなれば、より時間が不足している項目にかける時間を増やすなど、日々の行動の軌道修正・改善も可能です

 3つ目は、ある項目について頑張りが著しい場合には、目標の達成/未達成だけでは反映し切れないこと。達成/未達成だけの判断であれば、チェックがある(1つ)/ないだけです。しかし、例えば本来20分でやる「やること」が半分の10分でできた場合には、加点方式としてチェックを2つにするとどうでしょうか。こうすることで、目標以上の頑張りを引き出すことも可能になります