「バカは黙れ」の空気にカットインしましょう

 あなたの会社の会議室だけではありません。そこらじゅうの演壇でいま、バカは黙れ、が幅を利かせています。

 本当に相手がなにも考えていない愚か者なら、黙らせなくとも、喋らせればいいのです。すぐに結果がわかるでしょう。ではなぜ、彼らは「黙れ」と言うのか。「バカは黙れ」という言葉を聞いて「では、自分は利口なので、黙らなくてもいいだろう」と考える人は、とても少ないからです。利口な人たちほど、その不安は強いもの。つまり、あれは「利口は黙れ」なのですね。

 どうですか? 利口は黙れ、が暴君の本音なら、あなたも喋るのは怖くないでしょう。もしも会社や世の中に言いたいことがあるなら、バカになろう。自分のちっぽけな実感を語る、諦めの悪いバカに。空気を読まずにしゃしゃり出て、よどみない演説にカットインし、どんなに罵られようと黙らない愚者に。暴君があなたの不安に漬け込もうとしても、怖くはありません。あなたが感じたことは、あなたにしか語れない。みっともないと言われようと、それが私たちの誰もが手にしている、最も安価で強力な武器なのです。

 今日の会議で、やってみますか?