答えがないもの…例えば、子どもの学校選びや、一人暮らしをさせるか否かといった問いは、親の思想ですよね。
情報過多社会に惑わされないために、選択の幹となる親の哲学がないとやれないと思っています。親のイデオロギーに関わる問いを間違ってネットに求めてしまうと、自分が正しいものをつかんでいるのか不安になる、「負の検索スパイラル」に陥ってしまいます。
意見を聞き過ぎてボロボロになってしまう
いろんな人の意見もね、聞き過ぎなくていいんですよ。
デビュー前、お笑いの養成所にいたときのこと。芸人を目指す生徒は、数人いる講師にそれぞれコンビでネタを見せていきます。同じネタを見ても、「この部分はカットしろ」「ボケとツッコミを逆でやればいい」など、講師によって言うことは様々です。指摘の通りに変えたら、変更したネタでまた真逆のことを言われることもあります。いろんな人がいろんなことを言うなかで、意見を聞き過ぎてボロボロになる人をたくさん見てきました。
僕はある意見に対して違うなと判断したら、「ありがとうございます」と感謝しつつ聞き流して、納得することだけを受け入れてきました。子育ても周囲はあれこれ言いますが、それぐらいの感覚でいいのかなと思っています。自らのネタを一番考えているのは作った本人達ですし、子どものことを誰よりも考えているのは親ですからね。
つまりは、「わが家はこれでいく!」と、親が自信を持てということなんでしょうね。
(取材・構成/平山ゆりの 撮影/片桐寿憲)