フルタイムで家がぐちゃぐちゃ……何とかしたいという気持ちがきっかけに
藤村 会社員ママとしてフルタイムで働いていると、毎日があっという間に過ぎていくと思うのですが、そんな中、新しいビジネスを起こすのはさらにパワーが必要ですよね。その原動力は何だったのでしょうか?
和田さん(以下、敬称略) そもそも、子どもが生まれるずっと前から、起業することに興味があって。何もないところから生み出す、ゼロイチでの起業が好きだと自分で分かっていたので、いつかは起業したいと思っていました。
実は、若いころにも同級生と起業したことがありました。そのときは大成功も大失敗もしなかったのですが、あることを学んだんです。それは、「起業するには自分にとってのテーマが必要」だということ。そのマーケットが伸びるかどうかよりも、自分自身の課題にひも付いたものであること、この課題は自分じゃないと変えられないと思えるかどうか、ということがとても重要だと感じました。だから、「これだったら私が時間をかけて解決したい問題だ」というものに出合ったときに起業しよう! と思っていましたね。
―― まさに「これだ!」と感じたのが今のタスカジというビジネスだったのですね。タスカジという家事代行サービスのプラットフォームを作ろうと思ったきっかけは、ご自身の経験ですよね?
和田 まさに、私自身がフルタイムで働くママで「家事の担い手がいない」という問題に直面していたことがきっかけです。私は本当に家事が苦手で。何とかしたいと思いつつ「家事代行サービスを利用したいけれど高額過ぎて難しい。だから、家がぐちゃぐちゃだ」と愚痴を言いながら、周囲の人達によく相談していたんです。
あるとき、通っている英語教室の先生にも愚痴をこぼしていたら、「日本にはプロフェッショナルなフィリピン人のハウスキーパーさんがたくさんいて、彼らは個人でサービスを提供している。日本人はあまり使っていないみたいだけれど、日本在住の外国人には有名な話だから、その人達に仕事をお願いしてみたらいいんじゃない? 直接契約だから、1時間1500円くらいでお願いできるよ」と、フィリピン人のハウスキーパーさんの存在を教えてもらいました。
へぇ、そんな方法があったんだ! と思って、彼らとの出会い方を聞いて、早速お願いしてみたんです。そうしたら、“世界が一変するくらい”良かった。これは周囲のママ達にも紹介したいと思いました。けれど、実際にフィリピン人のハウスキーパーさんを自力で探して契約するのは意外と難しい。すべて英語で交渉しないといけないし、募集をかけた後にたくさんの人が応募してきてくれても、誰をどんな基準で選んだらよいのか分からない。同じように家事ができずに困っている友人がいても、気軽に紹介できないハードルの高さがあると感じました。
「タスカジ」を運営するブランニュウスタイル社長、和田幸子さん
次ページから読める内容
- 誰もが気軽に使える家事代行サービスのシステムを作りたい!
- 大手メーカーでのSE業務、慶應のMBA。すべての学びが今に通じている
- 金融関係の夫は協力的。週2回の担当曜日には残業なしで帰宅
- 「小1の壁」よりも大変だったのは「認可保育園の壁」
- 会社員を辞めての起業 事前に夫と相談したのは家計やリスクの話
- 自分も働くママだからこそ、利用者の立場で改善していける
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