オフィスにいるかのように「ちょっといいですか?」

 「場所や時間にとらわれず柔軟に働くこと」というテレワークの定義から言えば、テレワークには必ずしもITツールが必要なわけではない。ツールがなくても仕事はできる。しかし、テレワークマネジメントの田澤さんは、日本でテレワークを導入するためには、ITツール、特にコミュニケーションのためのツールは欠かせない、と指摘する。「ジョブディスクリプション(職務記述書)が明確な個人主義の米国と違い、日本は大部屋でみんなと一緒にチームで働く文化です。このため、社外にいてもオフィスにいるのと同じようにコミュニケーションがとれるツールは必須です。いわば日本型テレワークですね」。

 日本マイクロソフトで、コミュニケーションツールとして活躍しているのが「Office 365」だ。Office 365 は、「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」といったいわゆるオフィス製品が常に最新版で使えるほか、ノートパソコンとスマートフォンなどでメールやスケジュールが同期・編集できる機能、いつでもどこでも、音声やビデオによるオンライン会議やインスタントメッセージが使える「Skype for Business」、テレワークで仕事をする際のファイルの保存・共有場所として便利なオンラインストレージなどが揃った企業向けのITツールである。

 同社の越川慎司さん(業務執行役員)は、「マイクロソフトはフレキシブルなワークスタイルができる環境を整え、地球上のどの人々の生産性も上げるというミッションを掲げています。それを実現しているのがOffice 365です」と話す。

 特にテレワークに役立つのが、Skype for Business。「Skype for Businessを使った会議により、全員が同じ部屋にそろうのを待つことなく、同じ部屋にいるのと同じ生産性でチームとして共同作業できます。育休や産休中の社員であっても、自宅のパソコンで全社会議に参加して会社の近況をアップデートすることで、スムーズに復職できます」(越川さん)。

 Skype for Businessで特徴的なのが、「連絡可能」「取り込み中」「応答不可」「一時退席中」「業務時間外」といった相手の状態(「プレゼンス」と呼ぶ)が一目で分かる機能があることだ。

Skype for Businessのプレゼンス表示の例。連絡可能、取り込み中、オフラインといった相手の状態が一目で分かるので、テレワークでもオフィスにいるかのように仕事ができる
Skype for Businessのプレゼンス表示の例。連絡可能、取り込み中、オフラインといった相手の状態が一目で分かるので、テレワークでもオフィスにいるかのように仕事ができる

 「まるでオフィスで一緒に仕事をしているかのように、『ちょっといいですか?』と、インスタントメッセージで声をかけられます。『メールで送りましたけど見ていますか?』と確認のためだけに電話をすることもないですし、とても効率的です。実は、マイクロソフトではメールよりもインスタントメッセージのほうが使われているんです」(越川さん)。

 「在宅勤務は“孤独感”を感じがちですが、Skype for Businessのプレゼンス情報で相手の状態が分かるので、孤独感も緩和されます。パソコンのカメラを“つなぎっぱなし”にして、ずっとビデオ会議状態にしている人も多いですね」(越川さん)。社外にいても、働いているかどうかが一目で分かるので、上司にとっても、部下の時間管理がしやすいメリットもある。

 Skype for Businessだけではなく、各社員のスケジュールが公開されるのでお互いの状況が分かるOutlookや、最新の資料がチームメンバーで共有できる機能も、テレワークには非常に有効という。

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