留学させるぐらいならネトゲさせてたほうがマシ!?

成毛眞さん(以下、敬称略) 留学なんてはっきり言って時間とお金の無駄ですね。私には30歳の娘がいますが、彼女が高校のころは(日本で)毎日2人でネットゲームをしてましたよ。毎日3時間とか5時間とか? 英語だけじゃなくて勉強もほとんどしていませんでしたけど、親子で一緒にいる時間はめちゃくちゃ長かったですよ。

 と、開口一番、意表を突く発言で驚かせてくれる成毛さんですが、ご本人はアメリカ企業であるマイクロソフトの日本法人で社長を務めた経験を持ち、今も世界を舞台にしている証券コンサルタント。そしてお嬢さんは現在、大手商社の穀物のトレーダーとしてオーストラリアに駐在し、若手エリートとして活躍する、まさにグローバル人材の一人です。

投資コンサルティング会社インスパイア取締役ファウンダーであり、『日本人の9割に英語はいらない』著者の成毛眞さん
投資コンサルティング会社インスパイア取締役ファウンダーであり、『日本人の9割に英語はいらない』著者の成毛眞さん

成毛 留学? もちろんさせてませんよ。大切なことはグローバルかどうか、英語ができるかどうかよりも、価値ある仕事に就き、その専門性をどこまで深められるか。人生のいわゆる“勝ち負け”は30歳で決まるというのが持論です。

 どんなにいい教育を受けて東大やハーバードに入ったとしても、その後自分に合った仕事に就き、価値ある仕事ができなければ意味がない。10年ほど専門分野の知識を磨き、社会を渡り歩いていく力をつけられるかどうか、それが分かるのが30歳前後でしょう。学生のときに無理に頑張り過ぎて伸びしろを食い潰すよりは、好きなことを伸び伸びとやらせていたほうがよっぽどいい

 お嬢さんが進学したのは青山学院大学。そこでほとんどの時間をラクロス部の活動に費やしたというお嬢さんですが、そもそも「ラクロス部に入れ」と助言したのも成毛さんだったそうですね。

成毛 大学に入った年に「就職のために今から何をしておけばいい?」って娘が聞いてきたんです。娘のレベルの大学であれば学力で就職に特別有利というわけではない。だったら「スポーツをしろ」と。体育会系で実績を残せば、ある種の優位性が就職時に生まれることが分かっていましたからね。毎日、体中に青あざを作ってやってましたよ。就職のため、と割り切ってね。

 そして就職活動の際にも、娘さんは父親である成毛さんのアドバイスを求めてきました。