安心感を与えるための逃げ道が必要
──子どもがいじめられているかどうかを知るには、どうすればよいでしょうか。
子どもはプライドが高く、親には心配かけたくないという思いもありますから、なかなか親に「いじめられている」とは言いません。直接「あなたはいじめられているの?」と尋ねても、「そう」とは答えないでしょう。
子どもがいじめられているかどうかを知るには、テレビで一緒にいじめのニュースを見ながら「考えられないね」などと話しかけてみてはいかがでしょう。そのときの反応を見れば、今の状況を推し量ることができるはずです。
──もし子どもがいじめられているとわかったときは、どうすればいいでしょう。
「私はあなたの味方だよ」「大丈夫だよ」という安心感を与えるために、なにかしら逃げ道を用意してあげること。たとえば、「転校してもいいよ」というように。そうすれば、子どもは安心します。反対に、絶対やってはいけないのは「我慢しろ」と突き放すこと。こういう言葉は、親も味方になってくれないと思わせ、最悪の結果を招きかねません。
「自己肯定感」が大切だと言われていますが、「できるから褒める」のは平時のとき。有事のときは、「できなくても大丈夫」と安心させることが大切です。子ども自身が「逃げてもいいんだ」と思えるようになれば、心に余裕ができるはずです。