中学生のときから斬新なものを作って振る舞っていた
まさみ フードプロセッサーで混ぜたら、先ほど使ったザルで再び濾して鍋に戻し、寒天を入れて混ぜます。その後、火にかけます。寒天なので、一度熱しないと固まらないときがあるからです。火加減は、鍋からはみ出ない程度の中火、強めの中火です。1回ふつふつと煮立ってきたら、そのまま混ぜながら1分くらい、火を通します。これを流し缶に入れ、粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やせば出来上がりです。
寒天は、固まるのが早いのがいいですよね。それに一度固まったら溶けないから、芋ようかんを小さく切ってお弁当に入れても、いい箸休めのおかずになりますよ。
―― では、いただきます! おいしいですね。本当にあっさりとした甘さで、しかもつるんとしているので、いくらでも食べられそうです。
まさみ 今の季節はさつま芋の甘さもいま一つですが、季節になると糖度が増しこくが出て、同じ砂糖の量でもいっそうおいしいと思いますよ。
―― 子どものころは、お母さんが芋ようかんを作ってくれたのですか?
まさみ 両親は鮮魚店をやっていましたので、時間が限られていましたし、そんなにしゃれたものが出てくる家ではありませんでした。おやつには、買った大学芋や芋ようかんが出てくることもあったし、母が作るものもゼリーとかヨーグルトに何かをかけたものとか、手間のかからないものが多かったですね。当時、オーブンが家になかったので、冷やして固めるものとか蒸し器で作れるものが多かったと思います。
そういえば、オーブントースターで作れるお菓子の本がなぜか家にあって、中学生のときにその本を見て自分で作ったりしていました。シュークリームの皮も作ったんですよ。ただ、中に入れるカスタードクリームを作るだけの技量も気力もない。そこで、フルーチェってあるじゃないですか、牛乳で混ぜるだけでちょっと固まるというおやつ。あれを中に入れたんです。ところが軟らか過ぎて、中身が出てきちゃうので、冷凍してシューアイスみたいにしたんです。それを友達にあげたりしていました。
この前久しぶりにその友達に会ったら、「そういうの、もらったよね」と言われました。「あのころから、斬新なものを作っていたよね」と(笑)。