ポイントはゴールだけでなく、目標達成のプロセスを細分化すること

Step②: 子どもの「こうなりたい」を計画に落とし込む

 Step①で引き出した「こうなりたい」を実現するために、より細かい計画に落とし込んでいきます。ここでは、毎月の目標設定→毎日の行動チェックリストへの落とし込みを例にお話しします。もし時間軸が短い場合には、毎月の目標設定はせずに、一気にチェックリストの作成に移ってもOKです。

子どもの「こうなりたい」を形にしてあげよう
子どもの「こうなりたい」を形にしてあげよう

 まずは、年間の月次目標設定について。これは上図のように、縦にカテゴリーを、横に時間軸(月)を取ります。そして、いつまでに何ができるようになっていればいいのか、すぐに見える状態にします

 例えば、自転車。8月の旅行では1人で乗りたいので、3月に補助輪なしで1人で乗れるようにする、少し余裕をもって7月には車道で乗れるようにするという目標を設定します。ここでのポイントは、最終ゴールだけではなく、目標達成のためのプロセスを細分化して段階的にマイルストーンを設けること。そうすれば、最終目標に対する遅れ・進みが分かります

 さらに、マイルストーンの時期は極力分散するようにします。大人の仕事でも、繁忙期と閑散期が極端だと、ペースが狂ってしまいます。極力ムラがないように平準化することで、今月の重点はこれで来月はこれというように「やり切る」ことを習慣化するのです。

 次に、毎日の行動チェックリストについて。詳しくは次回の記事でお伝えするので、今回はポイントだけ。トヨタでは、方針管理と日常管理という取り組みが非常に重要視されています。

 簡単にいうと、トップが決めた目標を工場・部・課等の単位に落とし込み、それぞれのレベルでやるべき目標を設定するのが「方針管理」。その目標の達成のために、日々の業務でやるべきことが着実にされるようにフォローすることが「日常管理」。これまでの内容でいうと、方針管理は「やり切る」対象を決める、日常管理は「やり切る」ことそのものです。

 毎日の行動チェックリストは、まさに「やり切る」ためのツール。これまで決めてきた「やり切りたい」ことをチェックリストに入れ、それを着実に実行していくことで「やり切る力」がついていくのです。

 状況を改善したり自分自身が成長したりしたいとき、その思いだけでは何も変わりません。一方で、ゴールが不明確なままに行動しているだけでは、非常に非効率です。つまり、ゴールの明確化とゴールに沿った行動計画の実践という2つがそろって、初めて効果が生まれます

 先ほどの自転車の例でいうと、ぼんやりと「自転車に乗れるようになりたいな」と思っているだけでは全く進歩がなく、年の終わりになって「やっぱり今年もダメだった」となるのが関の山。一方で、思い付いたときだけ練習しているのでは、いつ乗れるようになるのかは分かりません。

 しかし、最終的なゴールを明確にして「3月に補助輪なしで1人で乗れるようにする」というマイルストーンを設け、「今月は週末に○回練習に行く」という行動をすることで初めてゴールが近づいてくるのです。

 大人でも難しいこのプロセスを、子どもだけでやるのは到底困難。しかし、ワクワクするゴールイメージを親も一緒になって具体的に描き、それを落とし込んでいくことをサポートすれば、子どもの「やり切る」力を大いに伸ばすことができるのです。