義務教育なのに「給食だけ有料」はおかしい
駒崎弘樹さん(以下、敬称略) 前回の記事で、すぐにできる子どもの貧困の対策としてサービス給付があると伺いましたが、例えば、どんな内容の給付をするイメージでしょうか?
阿部彩さん(以下、敬称略) 少なくとも小中高の公立校は全部無料の給食にするとか、長期休暇中の学童保育の給食導入を徹底するとか。
駒崎 なるほど。今はほとんど自治体任せで、地域によってばらつきがありますよね。
阿部 自治体がまったくお金を出さずに、保護者負担で学童を運営しているところもありますよね。ひどい話です。このあたりの問題解決なら、今の政権で可能な気がします。
駒崎 実は今日、「子どもの貧困八策」というものをお持ちしました。これをブラッシュアップして政治家の皆さんにぶつけていこうと思っていますので、先生からもご意見いただけないでしょうか。この中に、「学校の完全給食化」という項目も入れています。確かに義務教育なのに、なんで給食だけタダじゃないの…?と素朴に思いますね。
阿部 給食を無償化するだけで、就学援助費の支出が減りますよ。「妊娠退学を止めさせる」、これももっともですね。お金をかけずにすぐにできる対策です。「児童扶養手当の毎月払い」、これも実現することで助かる家庭はたくさんあります。制度とシステムを変えればいいだけですので、できるはずです。
駒崎 そうですよね。僕はマイナンバー委員会に参加しているので、先生のおっしゃる「少ない労力で実現可能な、マイナンバー制度を活用した給付付き税額控除」の仕組みづくりのため、引き続きガンガン言っていきます。