国内外の科学コンテストに積極的にチャレンジ!
今年3月、教育界で大きな話題になった、都立中高一貫校初の東大2ケタ合格。2006年に都立中等教育学校として設立された都立小石川中等教育学校(以下、小石川)が、設立10年を迎えた今年、14名の東大合格者を出したのです。第一期生から4名→5名→6名→9名と毎年、東大への合格者数を増やしている小石川。公立中高一貫校への期待がさらに高まります。
訪れた3月、正門から校舎を見上げると、何やらたくさんの垂れ幕があります。「国際物理オリンピック銅メダル」「科学の甲子園全国大会出場」「日本数学オリンピック本選出場」などなど、全国・世界の理数コンテストの実績がズラリ。都立中高一貫校の中でも、理数に強い学校として知られていますが、その実績の数の多さに驚かされます。
東京大学では、2016年度から推薦入試を導入しました。推薦入試合格者77名の中の一人に、小石川の男子生徒がいました。その生徒は高校1年生のときに「物理チャレンジ」という日本の物理オリンピックに挑戦。このときは賞が取れなかったけれど、東京都教育委員会による「次世代リーダー育成道場」の一貫として、1年間アメリカ留学をし、帰国後に2年生で再チャレンジしました。3年生のときには日本代表の5人に選ばれ、インドのムンバイで開かれた国際オリンピックに出場し、銅メダルを獲得しました。
まさに、次世代の未来を切り開くリーダーとして活躍してくれそうですね。特別、優秀な生徒だったのでしょうか?
「確かに優秀な生徒でしたが、彼が特別というわけではありません。小石川では、1年生から総合的な学習の時間で探究活動を行い、生徒一人ひとりの探求心や課題解決力を伸ばしています。その積み重ねが、今回のような結果に結びついたのではないでしょうか」
そう話すのは、奈良本俊夫校長です。では、同校の6年間の学習カリキュラムとは、どんな内容になっているのでしょうか?