こんなすご技見たことない!ドキドキの太神楽

 続いて登場したのは、すらりと背の高い鏡味味千代(かがみみちよ)さん。彼女が披露するのは江戸太神楽(だいかぐら)という演目。「1000年の歴史を持つ太神楽は、みなさまのもとに福がやってきますようにと、幸せの祈りをこめた芸」なのだそうです。

 味千代さんの優美なたたずまいに来場者が見とれていると、おもむろに手に取った棒(台茶碗)をあごに立てました。そこに板や茶碗を次々と積み上げていきます。その名も「五階茶碗」という芸です。

 驚異的なバランス感覚で、味千代さんのあごの上に、あっというまに高さ1メートルほどのタワーが出来上がりました。しかし、これだけでは終わりません。茶碗を乗せたまま、支えている棒と棒の間に鞠を2つも挟んだり、タワーが糸の上を回転しながら移動したり・・・・・・と、これまで見たことのない技に、会場からは拍手が絶えません。

手に汗握るすご技を連発。写真は鞠を2つ挟んだ「相生比翼の鞠」という技
手に汗握るすご技を連発。写真は鞠を2つ挟んだ「相生比翼の鞠」という技

 次の芸は、太神楽の中で最もポピュラーな技である傘回し。傘は末広がり、上で転がす鞠は何事も“丸く”収まるとして、縁起がよいのだとか。傘の上でやすやすと鞠を転がしてみせる味千代さん。縁のきわに走らせたり、ジャンプさせたりと自由自在です。この傘回しは、会場の子どもにも挑戦してもらいました。

 最後に取り出したのは、枡。「みなさまの今後が“ますます”発展しますように」と、四角い枡が丸に見えるほど高速回転させて、フィニッシュとなりました。

 太神楽を初めて見たという人は多く、子どもはもちろんお父さん、お母さんからも「とても華やかで技もすごかった」「見ててすごくドキドキした」という感想がたくさんありました。