「公立中高一貫校の今」特集の第1回第2回の記事では、人気の理由やメリット・デメリットについてお伝えしてきました。今回は、『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』の著者である教育ライターの佐藤智さんに、東京11校、首都圏3校、地方3校、計17校について、特色や学校選びのチェックポイントを解説してもらいます。また、卒業生の進路についても、一部の学校に取材しました。
 公立中高一貫校は設立理念など共通する部分はあるものの、学校ごとのカラーや教育方針は少しずつ異なります。せっかく入学したのに、わが子に校風が合っていなかった…といったことにもなりかねず、志望校がどういった学校なのか事前によく調べておく必要があります。そうはいっても、各学校のホームページを見ただけでは、なかなか見えてこないのが実情。特集第3回の今回、詳しくご紹介する学校情報は、これから公立中高一貫校を考えるご家庭に大いに役立つはずです。

【公立中高一貫校の今 特集】
(1) 公立中高一貫校 人気上昇の背景と受検倍率公開!
(2) 公立中高一貫校 4年後の大学入試改革では有利に?
(3) 公立中高一貫17校を徹底分析 学校選びの着眼点 ←今回はココ
(4) 小石川と白鷗 公立中高一貫人気2校リアルリポート
(5) 総合力求める公立中高一貫校「適性検査」傾向と対策

わが子に合った、学校の見分け方・選び方とは

 公立中高一貫校は教育プログラムや学校行事などに学校ごとの特色が色濃く出ます。それだけに、ミスマッチも起こり得る、と佐藤智さんは話します。人気が高い、進学実績が伸びている、といったことだけで安易に学校を選ぶのではなく、わが子を通わせたいと思う学校がどういうところなのか、しっかり調べる必要がありそうです。

 「学校の特色を知りたいときには、教育方針や校訓、SI(スクール・アイデンティティー)と呼ばれるものに着眼してください。これらの軸さえ見えていれば、授業はどうなっているのか、部活動はどうなのかなど、視点を横に広げていけるようになるはずです」(佐藤さん)

 とはいえ、各学校のホームページに掲載されている情報だけではなかなかイメージできないというのが正直なところではないでしょうか。

 「謳い文句がきれい事で終わっていないか、ちゃんと授業に反映されているのかということまでは、ネットやパンフレットからはなかなか見えてきませんよね。私は各校に取材をして話を聞き、そのうえで授業カリキュラムや行事予定、計画表を改めて見直してみたところ、それらがどこにどれだけ反映されているか、見えてくることがありました」(佐藤さん)

 次ページからは、佐藤さんがこれまでの取材や調査を通して確認し、実感してきた各校の特色や強みを一挙ご紹介! 都立10校と区立1校の計11校のほか、首都圏3校と地方の人気3校をずらり網羅します。本来は学校行事や説明会に参加し、自らの目で確かめるのが一番ですが、その前段階の情報としてご活用いただければ幸いです。

<次ページからの内容>
・都立&区立中高一貫11校、各校のキャラクターを探る
・突出した人気を誇る首都圏3校、その魅力
・地方にもあった!個性あふれる公立中高一貫校
・その結果に大注目!卒業生達の進路状況