皆さんこんにちは、治部れんげです。新年度が始まって1カ月。保育園入園、小中学校入学や異動など、4月に起きた生活の変化に慣れてきたころかもしれません。今回は先輩ワーキングマザーのライフワークをご紹介します。

働くママも働くパパも自分の子ども達の手が離れてきたら、何かできることはないだろうか……。そんなふうに考えていただけたらと思います。

24時間・365日、母子を受け入れる一時保護施設「ひだまり」とは?

 頻繁に報道される子どもの虐待は、最もやりきれない気持ちになる事件です。今回ご紹介するのは栃木県日光市で児童虐待防止活動に取り組むNPO法人だいじょうぶ理事長の畠山由美さん。相談、訪問など様々な事業を行う中で特徴的なのは24時間・365日、母子を受け入れる一時保護施設を持っていること。「ひだまり」と呼ばれる一軒家に様々な課題を抱えた子どもと親が集まってきます。

 3月中旬の平日午前10時半ごろに訪ねていくと、そこには大人数名と1~2歳の子どもが数名いました。もしもガス代が払えずガスを止められている親がいれば「小中学生が来る前にお風呂に入っていけば?」と勧めます。「家」があることで、24時間・365日、困っている人に手を差し伸べることができるのです。

母子を受け入れる一時保護施設の軒先に飾られているステンドグラス。「your place ひだまり」という文字が温かい
母子を受け入れる一時保護施設の軒先に飾られているステンドグラス。「your place ひだまり」という文字が温かい

 「利用者にはこのNPOを実家のように使ってもらいたい。大家族や実家があれば、ちょっと困ったときに助けを求めることができる。そうすれば親はぎりぎりまで追い詰められず、虐待までは至らないはずだから」。畠山さんは言います。

 だいじょうぶは民間の非営利団体で日光市と緊密に連携しています。虐待の恐れがある子どもの情報は、まず市町村など基礎自治体に寄せられます。家庭相談員や市役所の担当課長が対応しますが、役所の窓口は夕方以降や夜間や休日は閉まっています。児童相談所は県の管轄ですが、連絡すると一時保護施設は満員と言われ緊急時に対応してもらえないことも少なくありません。

 そういう中で日光市が民間のショートステイを作ろうと考えたのは、2004年に栃木県内で起きた事件がきっかけでした。

NPO法人だいじょうぶ理事長の畠山由美さん
NPO法人だいじょうぶ理事長の畠山由美さん