スタッフ同士でポジティブな褒めポイントを共有

 実は、この園の特徴的なことは、子どもの教育以外にもスタッフの教育がある。先生同士のハイタッチでの挨拶はもちろん、毎日行われるミーティングも少し変わっている。日によって交代で3~4人のスタッフが集まり、立ったまま「ピグマリオンミーティング」と呼ばれるミーティングが行われる。

 その日の子どもやスタッフの良かったところを報告し合った後、1人の先生に向けて「○○さんサイコー!」とみんなが笑顔でその人へ両手を広げ、その後1人1人ずつその人の良いところを言っていく。そして、最後に本人が、みんなへの感謝やその日の良いことを共有する。こうして交代で参加者全員に行っていく。初めての人には異様な光景に見えるかもしれないが、確かに加わって体験してみると、褒められ、感謝を述べた後の気分はとてもポジティブに変わっていた。

 「子どもが生まれ仕事を辞めていましたが、1年前にこの園へ来てから子ども達からの前向きな刺激がいっぱいで本当に毎日が楽しいです。子どもにも『お母さん明るくなった』と言われるし、本当にこの園で働けることが幸せです」と、スタッフの1人は話してくれた。


スタッフのミーティング。要点を共有し、褒め合い、スタッフはまた笑顔で現場に戻っていった

 外国人の先生もおり、英語で同じように遊んだりエクササイズを行っていた。英語で話しかけて遊ぶうちに子ども達はなんとなく意味を理解していくという。

 別のグループは、机に座って学習の時間。算数、書き方、音楽など様々なワークブックがレベル別にあり、子ども達はそれぞれのペースでこなし、1冊終わるとまた次のレベルのワークブックに進む。ある子は絵本の音読をしている。子ども達は1人ずつ読書ノートを持っており、読めたら本のタイトルを先生に書いてもらう。年間2000冊読む子どももいるという。こうした個別学習の時間には、7、8人のグループに先生が2、3人ついて質問に答えたり音読を聴いたり、個別に対応していた。


ヨコミネ式独自のワークブック。細かくステップアップできるようになっている。読書ノートには読んだ本の名前がずらり

 現在、園は認可外2園、認可1園。そしてニーズに応えるために1年に1園くらいのペースで増えていくだろうと田中理事長は話す。通わせている保護者の口コミで希望者は年々増え続けているという。

 園は、月曜から土曜まで7時から19時まで開園。そのうち、通常保育時間が8時から18時だ。認可外である新百合ヶ丘駅園の園児は、現在0歳から5歳まで約100人。週3、週5、週6の月極コース以外にも、一時保育もあるという。川崎市の助成金の条件を満たしている場合は(1日4時間以上かつ月16日以上勤務しており、証明を提出する)、週5日の通常保育1歳児の場合で、月6万8000円。それ以外に、昼食・おやつ代、教材費、入園金、年会費などがかかる。


個別の学習の時間は、先生が多めについて個別に対応していく

 先生も子どもも強いポジティブな力で前向きに走り続ける保育園。もちろんこれに抵抗を覚える人もいるかもしれない。しかし、預けている時間にも子どもの可能性を最大限伸ばしてあげたい、と思う親には、目に見えて効果がある環境がそこにはあるだろう

 「大人になって、壁にぶつかってへこたれてしまう人も多い。子ども達が大人になっても様々なことにチャレンジし続ける『生きる力』を育てたいのです」と話してくれた田中理事長の言葉は、保育だけでなく学校や企業や様々な人材教育にも共通するのではと考えさせられた。

DATA
天才キッズクラブ 新百合ケ丘駅園
川崎市麻生区上麻生1-3-9 新百合ケ丘KIビル 3・4F
Tel:044-952-4871

(文・写真/岩辺みどり)