4月もそろそろ終わろうとしています。子どもを保育園に預けて育児休業から復帰した方も、転園などを経験した方も、新生活に慣れてきたころではないでしょうか?
 この春は、匿名ブロガーによる「保育園落ちた日本死ね!!!」という投稿が話題になりました。多くの「保活」家庭にとって、心に響くものがあったと思います。その後、「#保育士辞めたの私だ」というハッシュタグ付きの投稿がツイッターで数多く見受けられるようになり、子どもを預かってくれる保育士の給与の低さ、労働条件の過酷さに改めてハッとさせられました。DUALの連載でもこのテーマを取り上げています。(「低すぎる! 保育士の不満はもっぱら給与面」
 一体、国は待機児童問題をどう考えているのか…そんな声が挙がる中、自民、公明両党は2016年3月25日、待機児童の解消に向けて、緊急提言を取りまとめ、それぞれ安倍晋三首相に提出しました。緊急提言には保育士の給与を4%程度引き上げることや、小規模認可保育所の定員を弾力的に運用することなどが盛り込まれています。
 この記事では2015年「子ども・子育て支援新制度」によって次々に開設されている小規模保育を対象としたアンケート調査(全国小規模保育協議会が実施、理事長:駒崎弘樹氏/認定NPO法人フローレンス代表)を紹介しつつ、保育士不足の原因など、小規模保育所に限らず今の保育園業界が直面している問題について見ていきます。

待機児童解消に一役買うと期待される小規模認可保育所

 2015年4月に「子ども・子育て支援新制度」が始まり、新しい認可施設のカテゴリーとして、全国で1655園(認可保育所の6%程度)もの小規模保育がオープンしました。小規模保育は定員6~19人で0~3歳未満児を預かる施設。0~2歳児の待機児童解消の一手として注目を集めています。

 しかし、小規模保育を運営する事業者を対象に、全国小規模保育協議会が実施した経営調査アンケート(2015年10月~11月実施)からは、大きな課題が見えてきました。

 「小規模認可保育所を運営する上での主な課題」として、102事業者、148園からの回答で最も多かったのは「早朝・夜間の人員配置が難しい」で57%、次いで「十分な人数の保育士・保育者を採用するのが難しい」が51%でした。

 これはもちろん長時間労働によるところが大きいため、働き方改革そのものの必要性も問われますが、実情としては、保育の現場で「保育者が不足している」ということが、最も大きな課題であることが分かります。

出典:全国小規模保育協議会のアンケート調査
出典:全国小規模保育協議会のアンケート調査

 それではなぜ、保育の現場で保育者は不足しているのでしょう?

■日経DUALのアンケートにお答えください■

 「保育園の人員不足と質」に関するアンケート

 日経DUALでは、保育園に子どもを通わせているママ・パパを対象に、緊急アンケートを実施します! 毎日接する保育士さんの姿や、保育園の運営に対する保護者の不安についてお答えいただき、どんな点を改善していけばいいのか、一緒に考えてみたいと思います。ぜひ、ご意見をお聞かせください。

【園の運営への不安の例】
・保育士が頻繁に入れ替わる
・新卒や経験の浅い若い保育士が多い
・保育士の間で子どもの様子について情報が共有されていない
・連絡帳がない、またはあっても園からの記入がない
・排便時しかおむつを替えてもらえないなど、おむつ替えの回数が極端に少ない
・園庭がない、または小さいので公園に連れていってもらいたいが、頻繁に行っていない

<回答はこちらから↓↓>
https://aida.nikkeibp.co.jp/Q/C027007ep.html