DUAL読者の大半はママ・パパ。そのためDUALではママやパパの視点で、ママやパパに向けた記事を多く発信しています。しかし、これから結婚・出産を控えている人(特に女性)は、今の保育園や学童保育などの問題、家庭と両立させながら仕事をしていくことについて、どういった不安を感じたり、展望を描いたりしているのでしょうか。今回は、今は独身、でも将来は子どもも産みたい・・・と考えているフィンランド通の一人の女性の視点から、「今の日本社会に足りないもの」について、考えていきます。前編・後編でお伝えします。

子どもができたら、東京を逃げ出すかもしれない

 こんにちは、ライターの星野ハイジです。31歳、独身、子ナシ。普段は「ただ今という時を楽しんで」なんて刹那的発想で生きていても、「ゆくゆく、結婚し子を育てるのかな」という未来を仮置きしたとたん、様々な疑問や不安が浮上します。例えば、「子どもにとって良い教育とは・・・」

 既に親となり、日々、仕事に子育てにと邁進する諸先輩方からしたら、「そんなの、産んでから心配したら? ぐずぐず考える暇があったら、まず婚活なさい」と言われてしまいそう。でも、日本で子どもを育てるということについて、「現在、子育て真っ最中の当事者にしか関係ない」ということではない、と私は思う。自分自身が親になろうとなるまいと、社会の一員。私が、「この国で産み、育てる将来」について不安を抱くとき、それは同時に、「次世代のために、どんな社会をつくっていきたいのか」という課題に向き合うことでもある。

 そんな折、「フィンランドのライフスタイルのルーツを探る」というシリーズセミナーに参加する機会を得た。スピーカーは、1988年生まれフィンランド育ちで、今は日本に住んでいるミッラ・クンプライネンさん。フィンランドといえば、高い教育水準や子育てのしやすさなどで知られる国だ。そこで私は、ミッラさんからフィンランドの教育やライフパスについての話を訊きながら、自分が抱いている「子どもの教育に関する不安」にどう対処すべきなのか考えてみることにした。

 私は東京暮らしがかなり気に入っている。でも「もし将来、子どもができたら・・・」と考えると、東京を逃げ出すのかもしれないと思う。「お受験」をはじめとする多くの選択肢にさらされるのが怖いからだ。私立? 公立? 塾や習い事は? 多数の選択肢がちらつく中で、「これでいい」という判断を自信を持ってできるのか。そしてそれを、子どもに「これで大丈夫なんだよ」と言ってあげられるのか。うーん、心もとない。そして東京にいれば、選択肢が多い分、「資金を投入した分だけ、良い教育を受けさせられる」気がして、いくらお金があっても足りなさそう。・・・なんだか頭がくらくらしてくる。

「どこの学校で学んだか」より「何を学んだか」

 そんなことを考えていると、フィンランド人のミッラさんは言った。

  「フィンランドでは学校はすべて無料で、どの学校に行っても大体同レベルの教育を受けられます。教育レベルが均質なため、日本のような『学歴』の序列もあまりありません。また、塾もありません。フィンランドでは、子ども達の日々には勉強以外のこともあるべきだと強く思われていますし、必要な教育は学校がカバーしているべきだと考えられています。フィンランド人には、塾がある社会のことが想像つかないんですよ

次ページから読める内容

  • 日本とフィンランドの社会構造の違いとは
  • 1つのライフパスではなく、階段を作って上れる社会になってほしい

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