子どもは一人一人が一番星。輝きを見つけて光らせよう
原田 「あなたと△△ちゃんは違う気質なんだから、気を付けてね」という忠告であって、「だからあなたはダメなのよ!」と否定をしているわけではないので、大丈夫ですよ。
それぞれ子どもには個性があります。内向的な子もいれば、外向的な子もいますし、繊細な子もいれば、大胆な子もいます。内向的でお友達と話すのが苦手でも、すごく絵がうまかったり、クリエーティブな才能を持っている子もいますね。私がいつも子ども達や親御さんに言っているのは、「一人一人が一番星なんだよ」ということなんです。
hitomi 子どものことを「一番星」って言ってくれるのが素敵ですね。
原田 みんなそれぞれにいいところがあるので、他の子と比べる必要はありません。もし、今はまだできないことや持っていない力があったとしても、「お月様を見てごらん。今は三日月で細くしか光っていないけれども、太陽の光を当てたら、こんなにいっぱいできることがある。この光の当たっていない部分を伸ばしていけばいいのだから、安心してね」と子ども達に言っています。
hitomi すごく勇気づけられる言葉です。わが子にも伝えてあげたいです。
原田 勇気づける言葉が子どものやる気や自信を伸ばしてくれます。もちろん、プラスの言葉だけではなくて、子どもがいけないことをしたとき、例えばお友達を叩いたり、机を蹴飛ばしたりしたときは、周りを傷つけ、危険を及ぼすので厳しく叱りますよ。でも、叱るのは1分。長くてもカップラーメンができ上がる3分まで、です。もし15分とか、グダグダと長い時間叱っていたらどうなるかというと、子どもはやる気や自信を失い、叱られた相手への尊敬や信頼までもなくしてしまいます。
hitomi 長い説教は耐えられないですし、それ以上耳に入ってこないですものね。大人でもそうかもしれません。
原田 私の講座に来られるお母さん達で、2人1組になって子役の方が親役の方に怒られるロールプレイングをするんですが、芝居なのに泣き出す子役のお母さんもいました。それぐらい、大人でも心が折れるものなんですよね。
hitomi それを普段、子ども達に無意識でやっているかもしれないと思うと、気を付けないといけないと思わされます。親自身も言い過ぎちゃったなって、罪悪感にさいなまれてしまいますものね。
原田 お母さんの心に余裕がなくなると、それが子どもへの怒りや厳しさにつながってしまうものです。だからこそ、自分との対話の時間をなるべく持って、「私、今疲れてるから怒っちゃったんだよね。休もうね」とか「私、仕事も子育てもよく頑張ってる。えらい!」って、独り言でもいいから自分自身を勇気づけてあげていただきたいのです。だって実際、本当によくやってるんですもの。
子どものしつけも大事なのですが、子どもが健やかに育つためには、それ以上に親自身が自分とどう向き合うのか? どういうスタンスで子育てするのか? というのがとっても大切になってくるんです。
――次回の記事でも、「子どもが健やかに自立するために、親はどう関わったらよいのか?」について引き続き、hitomiさんがインタビューします。
(文/伯耆原良子 撮影/有本真大)